慶応三年四月 二十三 ページ28
「・・・・・・あ。」
その人影を先に見つけたのは沖田だった。
「んん?若いのじゃねェか。久しぶりだね。」
「お久しぶりです。どこに行ってたんです?」
「私は根無し草なのさ。西へ行ったり東へ行ったり。で、お足が無くなったらこういう大きな町で小遣い稼ぎさ。」
「ふぅん。それならどこまでも行けますね。」
「そうさなァ、百里でも千里でも駆けようかね。」
その言い方に沖田はくすりと笑みをこぼす。
千里(約四千キロメートル)など老人である彼には到底駆けれるものではない。
「そんな無茶したら老体に堪えますよ。」
「ははっ、違ぇねえ。で、どうした、また何ぞ悩みかい?」
笑っていた老人はそのままさらりと沖田に訊ねた。
「!何で、それを?」
「顔に書いてあるからじゃねェかい?」
沖田にそんなつもりはまるでなかった。
だが、老人はそれをしっかり読み取った。
「・・・参ったなぁ。」
どうやらこの老人には隠し事はできないらしい。
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朧 龍 - 赤眼鏡さん» コメントありがとうございます。流石に100以上を毎日なんてしませんよwまた楽しんでいただけるよう頑張りますね♪ (2019年1月27日 20時) (レス) id: 345339f75a (このIDを非表示/違反報告)
赤眼鏡 - ちょっと戸惑いを隠せないでいました(笑) では、名残惜しいんですけど、これ以上書いていたら保存コメントからも消えるので止めにします。(私の初めのコメントは消えても◎です)では。 赤眼鏡より (2019年1月27日 9時) (レス) id: abb9993cbd (このIDを非表示/違反報告)
赤眼鏡 - 『雨月物語』、wikiでチラッと見てきました。(最初タイトルだけ見たとき、「よし、今度本屋行こう」とか考えて…wiki見たら無理じゃんって…)ずーっと下へ下へ見ていくと、「か、漢文!?」って…。 (2019年1月27日 9時) (レス) id: abb9993cbd (このIDを非表示/違反報告)
赤眼鏡 - 嬉しかったんです。何か書いている途中で、「ファンレターっぽい…」と思っていたものに、返信がきてもう…!って(笑) 〜割愛〜 (2019年1月27日 9時) (レス) id: abb9993cbd (このIDを非表示/違反報告)
赤眼鏡 - 私も昔こんな事してたけど〜…!と勘ぐっちゃいました。)「長文コメントは俺にとってはご褒美です」。このコメントを深夜に見て、引き笑いみたいなのをしてしまいました(笑) (2019年1月27日 9時) (レス) id: abb9993cbd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:朧 龍 | 作成日時:2017年10月23日 1時