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勉強、勉強、勉強 ページ30

From A

今までこんな感じで日記のように書き連ねてきた文もかなり長くなってきたが、正直学期後半の5月は、本当にここは魔法学校かと何度も疑うほど、ぱっとしたことがなかった。もちろん毎日テスト対策のため睨めっこする相手である教科書も、毎時間此方を嘲笑ってくる小テストも内容は魔法に関するものであるが、そう言う話ではない。
「まぁ、ご飯と寝床があれば上出来だよね」
「私時々、貴女がどんな酷いところにいたのか心配になることがあるわ」
今ではテストに向けて共闘戦線を引いている優等生がベッドに寝転んで教科書を見たままそう言った
ほぼ丸々1学年一緒に過ごしたと言うのに自分でも少し薄情だとは思うが、学校の人には自分の過去の事は特に言ったことはない
「冬の間は何回か貴女が悪夢に魘されてるのを起こしたし」
「別に悪夢なんて…私にはイギリスの冬が寒かっただけだよ…」
「ふぅん、そう」
やはり顔を上げず、彼女は教科書をめくった
「最近はめっきり暖かくなったね」
相変わらずどんよりした天気も多いが、気温はしっかりと晩春めいているのを感じられるようになっていた
「散歩がてら梟塔にいってくるね」
「同じ塔の中でどうやったら散歩になるのよ」
最近は忙しすぎて一緒にサッカーをできないことで少し機嫌が悪い同級生が嫌そうな声を上げた
「ずっとここで石像になってるよりマシだよ」
ベット横の棚から今朝書いておいた手紙を取り、私はシーツから腰を上げた

「風が強いな…」
この時期の夜はなぜか風が強い。授業前に出しておけばよかったと後悔した
その時、いつもなら声なんてしない梟部屋から声が聞こえた
「僕だってそうだよ、ヘドウィグ…」
「その子、貴方の梟だったね」
梟に話しかけるなんて、優しい子だと思った
声をかけられてびっくりしたのか、彼はこちらを振り返った
「き、君は…」
「皇だよ」
「それは知ってるよ。フレッドとジョージとか…あとハーマイオニーが…」
「ん?なんか悪い噂でも?」
「い、いや、ハーマイオニーは君をすごく褒めてるんだ。君は優秀だって。でも終いには毎回『貴方達も彼女みたいに努力したらどうなの』ってなるもんだから…」
「それはごめんね…私は癖で勉強しちゃうだけだから気にしなくていいよ」
「そう、なのかな…?」
いつも寮の仲間たちとワイワイやってる彼は、1人で会ってみると落ち着いていたのが意外だった。案外話しやすかったのでその後少し話し込んでから一緒に塔を降りてそれぞれ寮に戻った

自分の悪いくせ→←罪状、盗み食い



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エマ - 「私だってもう教師なのに」という教授のセリフが堪らなく可愛くて悶絶しました。ありがとうございます。 (2月12日 0時) (レス) @page27 id: 39c076b3bd (このIDを非表示/違反報告)
岡P(プロフ) - お話とても面白かったです。この先どうなるのか更新楽しみにしています。 (2023年3月9日 23時) (レス) @page33 id: e3d27a2b53 (このIDを非表示/違反報告)
nagisa(プロフ) - 箱さん、コメントをくださり誠に有難うございましたした。 (2023年3月8日 3時) (レス) @page31 id: d439bf7a27 (このIDを非表示/違反報告)
-  ステキな作品を書いてくれてありがとうございます (2023年2月27日 22時) (レス) id: e97eef8072 (このIDを非表示/違反報告)
nagisa(プロフ) - ユカさん、ありがとうございます。もう少し頻繁に更新できるように頑張ります。 (2023年1月16日 22時) (レス) @page30 id: cffaeac670 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:nagisa | 作成日時:2022年3月13日 8時

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