どうもしないよ。 ページ10
Aside
"女1:またあいつ学年2位だってよ"
"女2:どうせいんちきでしょ"
"女3:赤司様には勝てないってことよね"
"女１:ほんとほんと"
どんなに頑張っても、どんなに努力しても認めてもらえない…
私はそんなにも悪いことをしたんだろうか…
バスケも…勉強も……
日向｢Aって…｣
A｢…はいっ？｣
ぼーっとしていて日向さんの言葉が通り抜けてしまっていた
日向｢すっげーな！｣
小金井｢ほんと！すげーよ！｣
伊月｢火神！こうだぞ！それこそ帰国子女だ！｣
そう言って私の英語の答案を大我に見せつけている
日向｢お前もう帰国子女やめろ｣
火神｢どうやって！｣
黒子｢Aさん？｣
A｢んー？｣
黒子｢どうかしましたか？｣
A｢どうか…って？｣
私に小さくそう聞かれて振り返るとテツ君と目が合った
じっと見つめられたテツ君の瞳を見ていると何もかも見透かされているようで時々怖くなる
A｢どうもしないよ。｣
黒子｢そうですか。……Aさん｣
いつもテツ君は深くは聞き出そうとしないでいてくれる…でも今日は少し違うみたいでん？とテツ君を見つめ返す
黒子｢君は僕達と一緒にいて楽しいですか？｣
A｢え？何言って…｣
黒子｢中学の頃僕は君を助けられなかった。知らなかったとはいえ、酷いことをしてしまったとずっと後悔しています。だから誠凛で楽しく過ごしてほ…Aさん？｣
A｢……っ｣
黒子｢っ！｣
A｢楽しくないわけないよ…テツ君のばか！｣
自然と溢れる涙を堪えきれずにぽろぽろと頬を流れた
つい叫んで出てきてしまった…
はぁーっと座り込むとまた涙がこぼれ始める
"僕達と一緒にいて楽しいですか？"
テツ君の言葉が何度も頭の中で繰り返された
私、楽しくなさそうにしてたのかな…
そんなに暗い顔してた…？
テツ君に嫌われちゃったかな…
テツ君は私と一緒じゃ…楽しくなかったのかな…
自分の中に溢れてくるのは悪いことばっかりで耳を塞いでも目を閉じても頭の中に響いていく
ぽろぽろも零れていく涙をどうしていいかも分からずただただ1人うずくまることしか出来なかった
私はどうしてこんなにも弱いんだろう……
誰もいない教室に自分の嗚咽だけが静かに響いていた…
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作者名：凪咲 | 作成日時：2019年2月1日 1時
