＊216話「過去編〜制服に着られる一年生〜」 ページ42
春になり、桜がちょうど満開の日に入学式が執り行われた。
ノリのついた慣れない制服に包まれて、私たちは中学生になった……。
長い入学式が終わり、10分休み。
私たちは廊下側の席になった私のところで談笑していた。
「あー、久しぶりに肩凝った」
「年寄りか、あんたは……」
「……わかる」
「え？！」
肩をほぐす結良に同意すると、叶羽は意外だったらしく目を丸くした。
「なんで、私とAとで反応が違うんですかねえ。叶羽さん？」
「だって、結良はいつもアホなこと言うけど、Aは言わないもの」
「いつも言ってないわっ」
「ふふふっ」
入学式でも変わらない二人に笑みを浮かべていると……。
「ねぇ、あの子でしょ。なんか先輩に怪我させたっていう子」
「え、どの子？」
「あの深緑の髪の短い子。しかも、バレー部に入ってるらしいよ」
「あ、なんか怪我につけこんでポジション奪ったんでしょ」
「せこいよねぇ。最低」
教室の中央でグループで固まっている女子集団。
彼女たちが私の方を見てこそこそ言っているのが聞えた。
隠すつもりがないらしく周りにも聞こえる声量で言われてしまい、
思わず固まってしまう。
「あいつらっ」
「結良、入学式初日は押さえてよ」
結良を窘める叶羽。
だが、彼女も怒っているようで腕を組んだ手が怒りで震えていた。
「二人とも、私なら大丈夫だから」
「でも……」
「二人がいるもん。だから平気」
ね、と微笑めば、少しだけ怒りが収まったらしい叶羽も微笑んでくれる。
結良はしかめっ面だったが、我慢してくれているようだ。
だが、それを見ていた彼女たちがまた言った。
「何笑ってるんだろ」
「さぁ？ ていうか、あんなことあったのによく笑えるよね」
我慢の限界が来たらしく、
バンッと私の机を思いっきり叩いて彼女たちを睨みつける結良。
止める暇もない動きに、叶羽に止めてもらおうと彼女を見るも、
叶羽もさっきのでキレたらしく結良と一緒に彼女たちを睨んでいた。
彼女たちはそんな二人に慄いたのか、知らん顔で自分の席に座り始めた。
「はっ。根性なしがっ」
「面と向かって言えないだもん。しかも、多勢でしか無理なやつらよ？
そんなやつはただの腰抜けどもの集まりに決まってるじゃない」
教室中に聞こえる声で、ぬけぬけという叶羽。
普段、大人しい人ほど怒らせると恐ろしいんだと理解した瞬間だった……。
＊217話「過去編〜制服に着られる一年生〜」→←＊215話「……」菅原side
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星蛍(プロフ) - 麗さん» 視点のほうは自分でも常々思っていたので、今目次のほうに表示するように付け加えています！ p.43の件は言わんとしていることはちゃんと伝わりました！ そうですね。書き直しておきます。 (2020年11月22日 14時) (
レス) id: 1ee6b4a9bd (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 43ページ はそれぞれ の後の ウイングスパイカー と ベストセッター 書く順番逆の方がお話の流れ的にしっくり来ると思います。 夢主がセッターなのに ウイングスパイカー に思えてしまうので、、、、 上手く伝えられなくてすみません (2020年11月12日 22時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 一気にお話を読んでいる途中なのですが、夢主視点じゃない時、誰視点なのか分かりづらくて読みづらいなと感じてしまいます。 (2020年11月12日 22時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
星蛍(プロフ) - 紫野さん» ありがとうございます！！更新頑張ります！ (2015年12月31日 12時) (レス) id: 60a59e3ad2 (このIDを非表示/違反報告)
紫野 - 面白いです！続き楽しみにしてます！ (2015年12月31日 12時) (携帯から) (レス) id: 5ae5725b61 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：星蛍 x他1人 | 作成日時：2015年11月9日 21時
