after 二度あることは 26 ページ5
停電してから
沈黙が続く。
沈黙の間に
非常口の緑の灯りで目が見慣れてきた。
とはいえどうすることも出来ないし
Twitterで停電情報を調べたけど何も書かれていないし
マネージャーのグループLINEで『停電してますか？』って聞いたけど
仕事中だし誰からも反応は返って来なかった。
少ししてガチャガチャドアノブを捻る音と
ドンドンドンドン、とドアを叩く音と
「河井さん！」
さっきこの部屋を出た人の声がする。
「はい！」
河井くんが返事をすると
「ドアが開かないんですけど、そちらから開けますか？」
ドアの外の人が言う。
河井くんがもう一度ドアノブを捻るけど
「開かない」
やっぱり開かないらしい。
「すみません！しばらく待ってて下さい！他に誰か居ましたよね？」
外からの方が聞いてきて
「Aさんが…北山さんのマネージャーが居る」
チラッと私を見て言う。
「分かりました！」
「そっちの状況は？」
「こっちは…」
ドアの向こうに居る人の話によれば
何かが原因で停電して復旧したけど
この部屋だけ電気制御してるらしく開かないらしい。
そして、この部屋だけ停電したままなところに
何か原因はありそうな気がする。
とにかく
しばらくはこのままなんですね。
仕方ない。
椅子を見つけて腰掛ける。
ここは窓もない部屋だった。
停電ということは冷房もないから暑くなるかもしれない。
カバンの中から冷えるタオルを取り出して首に巻くと
塩飴を口にして水を飲んだ。
私はカバンを持ってるけど
どうやら河井くんは何も持ってないようだった。
外のスタッフさんが応援を呼びに行った後
スマホをいじって座り込んだ。
電気が通ってないから空気がムッとしてくる。
河井くんがシャツの襟を持ってバタバタしてる所を見ると暑いのかもしれない。
カバンからスポーツドリンクを取り出すと
「常温ですけど飲みますか？」
熱中症防止くらいにはなるだろう。
声をかけてみると
「…ありがとう」
河井くんが受け取る。
しばらく沈黙が続く。
密閉感と沈黙と河井君と2人というこの状況に
さすがに耐え難くなってきた。
ドンドン、とまたドアを叩く音がして
「おーい、A生きてるかー？」
宏光の呑気な声がする。
飲み物とかもある事を伝えると
「ん、じゃあもー少し待て。俺も近くに居るから」
宏光から『近くに居る』って言われて
「分かりました」
ものすごく安心した自分が居た。
すごいな宏光。
after 二度あることは 27→←after 二度あることは 25 ki
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 807人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「Kis-My-Ft2」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
shizu(プロフ) - ごまさん» コメントありがとうございます！続編ちょこちょこ書いてますのでそちらも読んでいただけると嬉しいです🍀 (2023年4月6日 7時) (
レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
ごま(プロフ) - このお話本当に大好きでした。完結してくださりありがとうございます。 (2023年4月5日 0時) (レス) @page50 id: 65630f1c21 (このIDを非表示/違反報告)
智子(プロフ) - わーい！！またこの2人に会えるのですね😍楽しみに待ってます！！ (2023年3月28日 23時) (レス) id: 87449810a3 (このIDを非表示/違反報告)
shizu(プロフ) - みさん» また書けるようにあっさり、それでも2人らしく終わらせてみました！コメントありがとうございます🍀幸せな気分になっていただけたなら嬉しいです❤️ (2023年3月28日 9時) (レス) id: 4bd01c80d1 (このIDを非表示/違反報告)
shizu(プロフ) - 智子さん» なんだかんだこの2人大好きなので多分ちょこちょこ書きます🍀既にいくつか書きたいので(笑) (2023年3月28日 9時) (レス) id: 4bd01c80d1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：shizu
| 作成日時：2021年6月21日 20時
