after ただ君と 13 ki ページ36
お昼になって
看護師さん達が来る前に席を外しておこう、と思って
Aに声を掛けて病室を出る。
トイレ行ってからタバコ忘れた事に気づいて病室に戻ろうとしたら
お昼ご飯を運ぶためかドアが開いてる。
あ、ヤバい。
もう遅かったかな、と思いつつそーっと近づくと
「良かったわ、Aが幸せそうで」
キヌエさんの声がする。
あ、話してるなら看護師さんたちはまだだろうし
Aと話してるトコなら今は入らない方がいいかな、と思って
ドアの外で少し待つことにする。
「うん、いま幸せ」
「………そう」
聞いてるとどうもAの話をしてるっぽい。
幸せなんだ、良かった。
いつもAを見てりゃ不幸には見えねーけど
改めて聞くとホッとする。
「宏光の事、いつも困らせてばっかだよ。私、すぐ閉じこもるから」
Aはどうやら俺との話をしてるらしい。
……となると聞いちゃうのもマズイんだけど。
でも廊下の向こうから看護師さんたちがお昼を運んで来てて
ここからも逆に今は動けない。
「うふふ、相変わらずなのね」
「でもいつも宏光はその閉じこもった殻、破りに来ちゃう」
「あらっ、それなら安心だわー」
Aの言い方っ。
俺が相当横暴みたいじゃんっ。
さすがに笑う。
「Aも北山くんを大切にしなさい。北山くんなら信じても大丈夫よ」
「うん、私もそう思う」
キヌエさんの言葉に即答してくれるA。
え、めちゃくちゃ嬉しいんだけど。
信じてくれてんだ。
まぁ、Aを裏切るつもりなんて
全くないんだけど。
「宏光となら、私、幸せになれると思う。むしろ宏光としか幸せになれないかな。宏光にフラれたらもう一生1人だよ」
「あらまぁ、そうなの？」
意外だった。
Aがそんな風に思ってたなんて。
つーかA、そんな素振り一度も見せた事ねーじゃん。
いつも俺がAを泣かせて困らせてばっかなのに。
俺となら幸せになれるなんて思ってくれてるなんて
正直、知らなかった。
「……Aにそう思える子が出来て、良かった」
キヌエさんが涙声になって鼻を啜る音。
俺まで泣きそうになったし
配膳のカートがいよいよキヌエさんの部屋に近づくから慌ててその場から離れた。
目頭が熱い。
ヤバい、泣く。
Aがそんな風に思ってくれてたなんて。
いつも困らせてばかりなのに。
泣かせてばかりなのに。
ハチに困ってる場合じゃない。
俺は俺でちゃんとしねーと。
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shizu(プロフ) - ごまさん» コメントありがとうございます！続編ちょこちょこ書いてますのでそちらも読んでいただけると嬉しいです🍀 (2023年4月6日 7時) (
レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
ごま(プロフ) - このお話本当に大好きでした。完結してくださりありがとうございます。 (2023年4月5日 0時) (レス) @page50 id: 65630f1c21 (このIDを非表示/違反報告)
智子(プロフ) - わーい！！またこの2人に会えるのですね😍楽しみに待ってます！！ (2023年3月28日 23時) (レス) id: 87449810a3 (このIDを非表示/違反報告)
shizu(プロフ) - みさん» また書けるようにあっさり、それでも2人らしく終わらせてみました！コメントありがとうございます🍀幸せな気分になっていただけたなら嬉しいです❤️ (2023年3月28日 9時) (レス) id: 4bd01c80d1 (このIDを非表示/違反報告)
shizu(プロフ) - 智子さん» なんだかんだこの2人大好きなので多分ちょこちょこ書きます🍀既にいくつか書きたいので(笑) (2023年3月28日 9時) (レス) id: 4bd01c80d1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：shizu
| 作成日時：2021年6月21日 20時
