サイボーグな彼女 16

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おばあちゃんの所にお兄や由紀さんが来るまで
ずっと居た。

最近あった話や
宏光との色々な出来事を話して過す。



時々おばあちゃんが眠ると
宏光はタバコを吸ったりトイレに行ったり。

でもすぐに帰っきてくれて
私とおばあちゃんのそばに一緒に居てくれた。



「出掛ける？」

宏光に聞いても

「んーん、俺もキヌエさんと話したい」

穏やかな顔で笑ってくれている。



そしておばあちゃんが起きると

「おはよ、キヌエさん」

声を掛けてくれて

「あらぁ、まだ居てくれてるの？」

「もちろーん」

おばあちゃんにニコニコ対応してる。



すごいな、宏光。

おばあちゃんも嬉しそうだから
宏光の優しさが本当にありがたいよ。



お昼前に看護師さんがそろそろ来るから

「ちょっと外してるな」

小声で言うとおばあちゃんに「ちょっと出てるねー」って言って部屋の外に行く。



そんな宏光を見送ってから

「仲良くしてるのね」

おばあちゃんが言う。



「うん、大切にしてもらってる」

「うふふ、A、嬉しそうね」



笑いながら言うおばあちゃんの方が
何だか嬉しそう。



「良かったわ、Aが幸せそうで」

「うん、いま幸せ」

「………そう」



おばあちゃんが目をうるっとさせてるから
私まで泣きそうになる。

けど、泣いちゃダメだ。



「宏光の事、いつも困らせてばっかだよ。私、すぐ閉じこもるから」

「うふふ、相変わらずなのね」

「でもいつも宏光はその閉じこもった殻、破りに来ちゃう」

「あらっ、それなら安心だわー」



おばあちゃんがニコニコして

「Aも北山くんを大切にしなさい。北山くんなら信じても大丈夫よ」

柔らかく笑うから

「うん、私もそう思う」

そうだよね、私も殻に籠らないで宏光にちゃんと伝えて
逆に宏光が辛い時は私が支えられるようになりたいな、って。



だからおばあちゃんに伝える。



「宏光となら、私、幸せになれると思う」



一生、こんな事思わないと思ってた。
私には縁がないだろうな、って。



「むしろ宏光としか幸せになれないかな。宏光にフラれたらもう一生1人だよ」

「あらまぁ、そうなの？」



おばあちゃんが微笑む目尻に涙が溢れて

「……Aにそう思える子が出来て、良かった」

おばあちゃんが声を震わせるから
さすがに私も泣きそうになる。

でもおばあちゃんに泣き顔を見せたくなかったから
精一杯笑っておばあちゃんの涙を拭った。



だからもう、私は大丈夫だからね。

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