after ただ君と 14 ページ37
夕方。
夕飯になる前にやって来たお兄と由紀さんと理子ちゃん。
お兄は仕事を早退したんだろう。
そして今後の話し合いが始まる。
「俺、外してるよ」
小さい声で宏光が呟いて部屋を出ようとしたら
「北山くん、居てくれていいよ」
それに気づいたおばあちゃんが宏光に声を掛ける。
「え、でも……」
宏光が戸惑ってるけど
「Aの説明の手間も省けるしいいんじゃね?」
お兄も言うから頷くと宏光が私の近くに寄り添ってくれる。
それがすごく自然で。
ものすごく心強かった。
やっぱりお兄の話はおばあちゃんの今後の事。
施設に入るか
うちに帰ってきて訪問看護と介護士さんに来てもらうようにするか、って話だった。
「ばーちゃん、どっちがいい?」
「施設でいいよ」
間髪入れないでおばあちゃんが言う。
でも何となく分かる。
おばあちゃんは施設より住み慣れた家の方がいいよね、って。
だから
「おばあちゃん、うちに帰らない?」
私から言った。
「私もまとまったお休み貰えそうだし、おばあちゃんがずっとうちに居れば今日みたいに時間気にして会わなくていいし」
私が言うと驚いた顔をしたおばあちゃんは
「由紀ちゃんに迷惑かかるから……」
言いかけるけど
「私もAちゃんに賛成!おばあちゃんがうちに居れば理子も嬉しいから」
由紀さんが食い気味で言う。
静かに涙を流すおばあちゃんは
やっぱり帰りたかったんだろう。
おじいちゃんと暮らしたおうちで最期を迎えたいんだろうな、って思う。
だから
「ね、帰ろ」
言うと頷くおばあちゃん。
そのまま少しして疲れたのか目を閉じるから
「ありがとな、A」
お兄から言われて首を振る。
「これが今回の私の役目だから」
「ん、助かった」「ありがとね、Aちゃん」
お兄と由紀さんが言う中で
隣の宏光が黙って頭をポンポンしてくれる。
宏光を見ると優しく笑ってくれてて
あぁ、宏光が居るからすんなり言えたのかも、と思ったら
「ありがと」
お礼を言うと
「俺はなんもしてねーよ」
宏光はクスクス笑ってて。
ううん、やっぱり宏光が居たからだよ。
じっと宏光を眺めると
宏光は照れくさそうに笑う。
あぁ、やっぱり宏光の笑顔は落ち着く。
すごく好き。
宏光を担当してからずっと
喧嘩しても3日と離れる事は無かった。
ここにしばらく居ることになるって事は…。
それに気づいた時に
最低な事を思ってしまって泣きたくなった。
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shizu(プロフ) - ごまさん» コメントありがとうございます!続編ちょこちょこ書いてますのでそちらも読んでいただけると嬉しいです🍀 (2023年4月6日 7時) (レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
ごま(プロフ) - このお話本当に大好きでした。完結してくださりありがとうございます。 (2023年4月5日 0時) (レス) @page50 id: 65630f1c21 (このIDを非表示/違反報告)
智子(プロフ) - わーい!!またこの2人に会えるのですね😍楽しみに待ってます!! (2023年3月28日 23時) (レス) id: 87449810a3 (このIDを非表示/違反報告)
shizu(プロフ) - みさん» また書けるようにあっさり、それでも2人らしく終わらせてみました!コメントありがとうございます🍀幸せな気分になっていただけたなら嬉しいです❤️ (2023年3月28日 9時) (レス) id: 4bd01c80d1 (このIDを非表示/違反報告)
shizu(プロフ) - 智子さん» なんだかんだこの2人大好きなので多分ちょこちょこ書きます🍀既にいくつか書きたいので(笑) (2023年3月28日 9時) (レス) id: 4bd01c80d1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:shizu | 作成日時:2021年6月21日 20時