お隣りさん S -side you- 3 ページ36
健永との距離はだんだん縮んだ。
私が働いてるお店に買い物に来てくれたのをきっかけに
ご飯食べに行ったり飲みに行ったり。
健永と過ごす時間は最高に楽しかった。
お互いの恋愛の話になった時も
「私すぐ余計なこと言うから多分彼も嫌だったんだと思う」
そう言うと健永が食いつく。
「例えば？」
「彼が仕事の愚痴話してきた時もアドバイスしちゃったりとか、野菜残してご飯食べようとしてるからちゃんと野菜食べてって言ったりとか」
「あー愚痴って確かにそうだよね、ただ聞いて欲しいっていうか」
健永が同意する。
やっぱりそうだよね。
「でもAは良かれと思って言ってるんでしょ？ならいいじゃん、そこに悪意ないもん」
なんて健永は優しく笑ってるから甘えたくなるけど。
「でも普通愚痴に意見求めてないし『野菜食べなさい』ってオカンかよってなるよね」
思えばずっとこんなことしてるかも。
学生時代の彼氏にもサボろうとした時に口うるさくして学校行かせたし
バイトもズル休みさせなかった。
そんな話までしたら
「別に間違ってなくない？」
なんて健永は優しい。
「でも多分世の男の人たちはそこを黙って見守って自分で決断するのを待つ女の子の方が好きだよね」
「そうかなー？」
健永が不思議そうな顔してる。
そうだってば。
「…私は砂になりたい」
しばらくして私が言うと健永がものすごくびっくりした顔をしてる。
「なに、突然」
「ほら、映画であるじゃん」
「映画？」
「『私は物言わぬ砂になりたい』ってセリフのやつ」
「あぁそれ『貝』だよ『物言わぬ貝になりたい』」
冷静に突っ込む健永
…え？
多分私がものすごくマヌケな顔をしてたんだろう。
マンガみたいにブーーッって健永が吹き出す。
「あはははははははは！」
「…そんなに笑うことないじゃん」
「だってすごく真剣なんだもん！！」
笑いが止まらない健永。
「もーいいっ」
「ゴメンゴメン、笑いすぎたね」
そう言って涙を流して笑いながら健永が頭を撫でてくる。
頭に乗せられた大きな手にドキッとする。
「Aは間違ってないよ？ズル休みは良くないしちゃんとダメって言えて偉いじゃん」
そう言って頭を撫でてくれるからドキドキが止まらない。
「でも物を言わないのは『砂』じゃなくて『貝』だけど」
そう言ってふざけるから
「もーーっ！」
悔しくて怒るとまた健永が笑う。
ものすごく楽しかった。
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shizu(プロフ) - mayumitsuさん» コメントありがとうございます！私もミツ担なのでどうしても北山さんの圧が強めになってしまいます。少しずつ更新しますのでよろしくお願いします！ (2019年4月10日 5時) (
レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
mayumitsu(プロフ) - こんにちは★こちらも読んでます(^-^)不器用な二階堂くんと、どうなるのか気になります。そして北山さんのiQOS、奪って吸える関係たまらんですね…!!!北山担なのでそこに興奮しました(;∀;)笑。 (2019年4月4日 18時) (レス) id: 90f4627b60 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：shizu
| 作成日時：2019年4月1日 8時
