お隣りさん S -side you- 4 ページ37
帰り道に
健永とふざけながら帰ってたら
「ひろみそこ危な…」
健永が言ってるな、って思ったけど
その瞬間には躓いてて。
あ、転ぶ。
酔ってるのもあってバランスを崩したら
健永が持ってたカバンを放り投げて私を抱き締めて転ぶのを防いでくれた。
久しぶりの人の腕の中。
ものすごく気持ち良くて。
少しして健永がギュッてしてくれてるのが分かる。
どうしよう。
私も抱き返したい。
健永の腕の中がものすごく気持ち良い。
もっとここに居たい。
抱き返そうとした瞬間
「危ないなー、もうっ！」
健永が茶化してくる。
「あははー、ごめん。ありがとう」
慌てて手を引っ込めた。
どうしよう。
私、健永のこと意識してる。
健永がカバンを拾って埃を払うと
「行こ」
って歩き出すから慌ててついて行くけど。
カバンと逆側にある私側の手を繋ぎたくて。
手を伸ばしては引っ込めを繰り返していた。
マンションに着いて
部屋のある階に着くと部屋の前に人影があった。
「……あ」
元カレだった。
私に気づいて頭を下げてる。
今更なんの用なの？
もう半年も経ってるのに。
帰って。
そう言おうとしたら
「ながとさん」
健永が小声で呼ぶ。
半年前みたいな苗字での呼び方に
線を引かれた気持ちになる。
「ちゃんと話してきな」
優しい声の健永。
嫌だ、1人にしないで。
元カレと話なんてしたくない。
元カレのことが好きじゃないから？
違う。
そうじゃなくて私は…
私は健永がいいんだ。
健永が好きで離れたくないんだ。
「じゃあ」
そう言ってドアの向こうに消えた健永。
泣きそうだった。
健永に置いていかれて。
「あの…」
元カレが気まずそうに声を掛けてくる。
ひとまず上がってもらって話を聞くと
一時の気の迷いで流されてあの時同僚と関係を持ってしまって
その後同僚とは付き合ったけどすぐ別れたらしい。
最初の理想だった
「やっぱりAがいい」を言われたけど
当然私の心は動かなくて。
それよりも健永に誤解されてないかだけが心配だった。
「もうあなたのことはなんとも思ってない」
改めてそう告げると
まだ部屋にある私の荷物を返したいって言う。
捨ててくれればいいのに。
次の日にそれを返しに来たタイミングで
健永と荷物を持った元カレが鉢合わせ。
「また来るね」
そう言ったけど
それから健永と全く連絡は取れなくなるし
顔を合わせることがなくなった。
お隣りさん S -side you- 5→←お隣りさん S -side you- 3
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 407人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「Kis-My-Ft2」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
shizu(プロフ) - mayumitsuさん» コメントありがとうございます！私もミツ担なのでどうしても北山さんの圧が強めになってしまいます。少しずつ更新しますのでよろしくお願いします！ (2019年4月10日 5時) (
レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
mayumitsu(プロフ) - こんにちは★こちらも読んでます(^-^)不器用な二階堂くんと、どうなるのか気になります。そして北山さんのiQOS、奪って吸える関係たまらんですね…!!!北山担なのでそこに興奮しました(;∀;)笑。 (2019年4月4日 18時) (レス) id: 90f4627b60 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：shizu
| 作成日時：2019年4月1日 8時
