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何故か怒られている。
ほっとかれたのはこっちなのに、
ほっといた人から怒られている。
…解せない。
基本的に。感情が出やすい俺。
「なんだよ、何か文句あるのかよ。」
まだまだいらついた声で、聞かれる。
口を開いたら、不満というか、不安というか、
負の言葉がでてしまうのはわかってた。
一度落ち着きたい。
翔さんの手をもう一回とって、
ソファを探して二人で座る。
真横に。
こんなことができるようになったのも、
翔さんがあの日、ドライブ誘ってくれて、
お互いちょっと、素直になれたから。
そう思うと、気持ちがようやく落ち着いた。
「２週間。経ったね。」
「え？」
「あの。ドライブの日から。」
翔さんの目をそっと伺う。
「ほんとにね。あの日俺はぼーっとしちゃった。嬉しすぎて。信じられなさすぎて。」
思ったことを。なるべく落ち着いて、話を進める。
「でもあの日から。翔さん俺と予定全然合わなくてさ。誘っても誘っても、予定あるっていわれてさ」
「…」
「あれ？なんか、付き合い始めってこんな？って。あれ？これは付き合ってることになるの？って。不安になりました」
「…そっか」
「うん」
翔さんが下を向いた。
目が泳いでる。
言い訳ていうか。なにか。考えてるんだろうな。
…俺のことで思考が埋まってるのか。
それも嬉しいなって思っちゃうくらい、
俺は彼のことが好きなんだけども。
正直、同じ熱量は求められないような気がした。
「俺としては」
「うん」
「毎日連絡とってるから、まぁそのさ、付き合ってる実感はめちゃくちゃ感じてた」
「そうなんだ」
「でも。それじゃ、不足だったわけか。」
「…価値観の差。みたいなものって、皆あるとおもうんだ。俺はね、連絡するのは嬉しかったけど、やっぱ顔見たかった。」
「でも、俺もお前も予定あっただろ？」
「や、だからさ。俺は合間とか、早く終わりそうな日とか、こまめに連絡してたつもりだよ？」
…なんかまた、意見の押し付けあいみたいになってきたな。
「俺だって顔見たかったけど、予定変えられなかったしさ」
あ。
人が来てしまった。
「翔さん、楽屋そろそろ戻ろうか。３人きっと俺ら遅いとはらはらしちゃうよ？」
コーヒーを2つさっと買って、
今度は目で促して、歩き出した。
「…んだよ。俺今日楽しみにしてたのに…」
物凄く小さな声が聞こえた。
「言い争いしたいわけじゃないよ」
俺も、そう答えた。
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作者名：果穂 | 作成日時：2018年3月18日 17時
