俺の両親は【朔間凛月】

〃　　父視点 ページ11

俺がAと出会ったのは、高校生のときだった。








あんずのあとに転校してきて、


俺よりも２つ年下。





は〜くんたちと同じ学年の子。






プロデューサーとして転校してきたんだけど、





元々Aは医師を目指していたらしくて、


その後佐賀美先生に弟子入り(？)したんだよね。







一時期はKnightsのプロデューサーをしていたから、


顔見知りではあった。








でもその後、とあるきっかけで、



俺はあの子と話すことが多くなって、








段々惹かれていった。




自分では気が付かなかったんだけど。



















でもあいつは違った。








俺のことは、仲の良い先輩くらいにしか思ってなかった。













だから、たくさんアピールした。





一人の女の子を落とすことがここまで難しいとは思ってもなかったよ。















なんの計画も立てずにサラッと告白しちゃったんだけど、



あっさり受け入れてくれた。









夢だと思ってた。



















でもまぁ、俺はアイドルだから。









そんな簡単に街は出歩けないし、


デートすら行けなかった。














何ヶ月もAに会えない日が続いて、





もうそろそろ限界だと思ったとき、





どうしたらずっと一緒にいられるのか考えた。









俺、多分相当Aに惚れ込んでたんだと思う。

　
　






すぐに入籍しようって決意した。









このままじゃ、


大好きなAと、一緒にいる時間が取れない。


誰かに取られるかもしれない。







アイドルとしての自覚がないと言われるのは当然。











だけど、アイドルだって人間。



恋はするし、結婚してる人だっている。





事務所長は反対気味だったけど、



Knightsのみんなは応援してくれた。








そう思えば、発表する前に少しだけ勇気が出た。














意外にも、ファンの反応はすごいもので。








『凛月くん結婚しちゃうの〜！？ショック〜！！』


『一途な凛月くんも素敵！！お幸せに！！』


『おめでとうございます！！凛月くんの選んだ人なら絶対にいい人なはず！！』






意見はバラバラだったけど、



なんやかんや言って今でも応援してくれているし。






だから俺には今がある。








大事な人がいる。



失わずに済んだ。

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