俺の両親は【朔間凛月】

〃 ページ12

凛月「…むっちゃんがもし、



お父さんみたいにさ、





どうしょうもなく好きな女の子ができて、


その子とずっと一緒にいたいと思っていたとして。」






今のお父さんのお話を聞いて、



かっこいいって思った。





だけど…。








凛月「アイドルになったら、会いたいときに会えないんだよ。」






おれだったら、お父さんみたいにできるのかな？






凛月「もしかしたら、その女の子に呆れられちゃうかもしれない。



さよならを言われちゃうかもしれない。





アイドルってだけで、大切な人まで失うかもしれない。」










…それでも…。









凛月「…お父さんは、むっちゃんが大好きだよ。」








ぎゅっておれを抱きしめる。







凛月「大好きなお母さんとの大好きな子供だよ。



世界一可愛い俺の息子。





だから、心配なんだよ。



むっちゃんが周りからキツイことたくさん言われるのとか、


大事なものが消えていくのとか。





むっちゃんが辛いと、お父さんも辛いの。」







夢月「…お父さん…。」














おれも、お父さん大好き。












凛月「でも、俺はむっちゃんが本当にやりたいことだったら、


反対はしないよ。」









おれが本当にやりたいこと。







夢月「…おれは、お母さんとお父さんが笑ってくれてたらいい。」








おれは、二人が笑顔なら嬉しいから。


おれが二人を笑顔にしたいから。






夢月「…お父さんとお母さんには笑っていてほしい。



おれが辛くても苦しくても、いっぱい泣いても、




お父さんとお母さんだけは、笑っていてほしいんだ。」






二人が大好きだから。






凛月「…。」








…お父さんが静かだ。












凛月「…全くむっちゃんは。



…Aに似て優しい子になったね…。」










お父さんの目から水が出てる。




泣いてるの？










凛月「…ずっと、３人で笑っていようね。」








お父さんはにっこり笑った。










その顔が、大好きな顔だ。





おれが一番好きなお父さんの顔だ。







おれはそのまま、



お父さんの隣で眠った。


















凛月「むっちゃん、だ〜いすきだよ。」


A「あれ？眠っちゃったんですね。



…どうして泣いてるんですか！？」


凛月「息子があんたに似たせいだよ。」

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