〜９💌〜 ページ9
「…今ちょっとカッコつけたでしょ〜」
「ははっ、なんだよ〜、
冗談でも格好良いって言ってくれたっていいだろ〜？」
そんなこと言いながらも、
頬が赤らんでいるのに気がついてないお前が
めちゃくちゃ可愛い。
「…ちょっとだけね？」
「…は？」
我ながら間抜けな声だったと思う
ちょっとでも、格好良いって思ってくれたのか？
「…ほんと…可愛いーやつ、」
「へっ？…ちょっ、衣更くん…」
「ん〜？ていうか、Aさんはいつになったら
俺のことを『真緒』って呼んでくれんのかな〜？」
「ゔっ…」
俺の膝に凛月が居るからなのか、
こいつが起きてたら揶揄われるのがわかってるからなのか、
頬に唇を落とせば、
りんごみたいに顔を真っ赤にしながら
すぐに俺から距離をとった彼女。
なんだか悔しくて名前を呼ぶように促してみるけど
このお嬢様は中々呼んでくれないんだよなぁ、
なんでだよ、凛月のことは凛月先輩なのに？？
「はい、せーの！」
「えっ…ま…、
…まおっ、」
…今自分がどんな顔してんのか
鏡なんか見なくても分かる。
絶対だらしない顔してるよな俺！？
「…真緒くん？」
「…っ、ごめん、」
ヤバい、いいなこれ
Aから名前呼ばれんの…
「…真緒くんが名前で呼んでって言ったのに…」
「あ、いや、なんていうか…
お前からだと心臓に悪いんだよな…」
「なにそれ、意味わかんないよ〜」
くすくす可笑しそうに笑うA。
いや、さっきと立場が真逆なんだけど
これはこれで悪くないか。
「…ちょっと〜、
どっかのバカップルが煩くて目が覚めちゃったじゃん〜」
「うわっ、」
俺の膝にあったそいつの顔、
目がぱっちり開いていた。
「わ、起こしちゃってすみません！」
「ん〜ん、
別に大丈夫〜♪Aは謝らなくていいの〜♪」
よしよし、と彼女の頭を撫で始めたコイツ、
「お前、ほんとAに甘いよな…」
「なにま〜くん、ヤキモチ？？
可愛いねぇ…♪」
「やかましい」
「心配しなくても、俺はま〜くんのものだよ〜♪」
「んん？
思ってたのと違うけどAは俺のな？？」
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