〜14💌〜 ページ14
「真緒…好き…。」
「…え？」
中２に上がったとき、
突然呼び出されたかと思えば、
女バスの同級生に告白された。
結構話せるくらいには仲も良い子だったけど
告白されたのなんて初めてだったから、
嬉しかったのは本当だけど、めちゃくちゃ驚いてしまった。
「私と付き合ってくれる…？」
「…えっと…。」
今まで友達だと思ってたのに、
いきなり恋人のように接してあげられるのか、少し不安だった。
でも、
その子だって死ぬほど緊張しただろうに、
勇気を振り絞って、思いを伝えてくれたから…
「…よ、よろしく？」
「…！？ほんと！？」
生まれて初めて、『彼女』ができた。
「あ〜。あの先生、そ〜いうとこあるよな〜。」
「あははっ、うちのクラスでもそんなことあったよ。」
「え、マジ！？」
いつもみたいに、
部活が始まるまで、Aと笑いながら話をしていれば
「真緒〜！」
後ろから抱きついてくる彼女。
「あっ…そういえば２人…。」
今そのことに気がついたのか、
またね衣更くん、と去ってしまうA。
遠ざかるその背中に、
咄嗟に手を伸ばしかけていた。
…正直、まだ話していたかった。
でも、誰かと付き合うということは、
こういうことになるのも仕方がないわけで。
「真緒、週末暇〜？」
「…日曜なら空いてるかな。」
「良かった〜、どっか出かけようよ！」
「お〜、いいぞ。」
…やっぱり、慣れないな。
「真緒、この服可愛くない！？」
「お、いいじゃん。似合うんじゃね？」
気がつけば彼女とデートに行くことも増えて、
女心っていうか、
女子が言ってほしい言葉だとか、そういうのも分かるようになっていた。
周りから見ても、
俺達は仲の良いカップルだったと思う。
中学生の交際期間は一般的に短いとは言われるけど、
俺達は結局、中学生の間はずっと恋人だった。
それでも、
俺の心にいるのは、
いつだってAだけだった。
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