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「あんず〜！
どうだった〜…って、あれ？」
自分のクラスに戻れば、
いつものように元気な声で私に飛びつくスバルくん。
その後ろには、
氷鷹くんと遊木くんもいる。
なんだろう、
私を待ってくれていただけでも感謝しかないのに
彼の顔を見て笑えない。
「…と、とりあえず帰ろっか？」
遊木くんの一言で、
私達は校舎を出た。
「…振られちゃったんだよね…」
珍しく四人で歩く帰り道。
いつもは交代で送ってくれるのに、
今日は３人とも、一緒に居てくれるらしい。
「そっか〜、
確かにサリ〜って変に真面目な所あるよね〜。」
「衣更くん、あんずちゃんには色々気を配ってたし、
成功するって思ってたんだけどね…。」
「やはり、衣更にはちゃんと
自分が“アイドル”だという自覚があるのだろうな。
良いことではあるが、自分の気持にも素直になってほしいものだ。」
確かに元々自信はなかったけど、
ほんの少しだけ期待していた。
彼と１番よく話す女の子という枠も、仲の良い女の子という枠も、
何もかも私が独占していたように思っていた。
だから、別に不安とか何もなくて。
振られるとしても、
氷鷹くんたちが言うように、
アイドルとプロデューサーという関係を理由に断られるのだろうと思っていた。
だけど…
「真緒くん、彼女いるそうです…」
３人は、ただただ口を大きく開けていた。
「えっっ、衣更くんって…
かっ、か、彼女持ちなのっっ！？！？」
「知らなかった〜！！
なんで言ってくれなかったんだろ！？」
「驚いたな、衣更からそんなことは１度も聞かなかったのだが。」
やっぱりみんな知らなかったんだ。
でも、真緒くんみたいな男の子なら、
彼女がいたっておかしくはない。
「俺、サリ〜の彼女めちゃくちゃ気になる！！」
「ぼ、僕もちょっと気になるけど…
僕たちに言ってくれなかったってことは、
知られたくなかったんじゃないかな？」
「え〜！！でもでも、やっぱり気になるじゃん！
ホッケ〜も、気になるでしょ！？」
あの、みなさん、
私今失恋したばっかりなんだけど？？？
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