【マギ】愛書家少女は恋を知らない。【ジャーファル】

３ページ ▽運動不足は駄目ですよ。 ページ6

｢はぁ！？なんでここにあんたがいるのよ！
剣術バカが入っていい場所じゃないわよ！！｣

｢別に俺だって来てもいいだろ！
お前こそカビ臭い研究室にこもってろよ！｣

｢なんですって！？｣

｢なんだよ！？｣


そんなことを言いながら相変わらず仲良く喧嘩するヤムライハさんとシャルルカンさん。

いつもなら別に気にしない。普通にスルーするだけ。

だけど、今回だけは別だ。


｢いたっ！？｣

｢いってぇ！？｣


私はシャルルカンさんの頭に百科事典を、

ヤムライハさんの頭に絵本を落とした。


『 図 書 館 で は お 静 か に 。』


｢｢はい……｣｣


にっこりと笑ってそう言うと二人は頭を抑えながら静かに椅子に座った。

喧嘩なら勝手にすればいいけど、図書館でやるのは勘弁してほしい。


こんなことに使ってしまった本たちに心の中で謝りながら私も近くの椅子に座る。



｢ていうか！なんで俺は百科事典でこいつは絵本なんだよ！！
違いありすぎじゃねえか！？｣

｢はんっざまあないわね｣


涙目で訴えるシャルルカンさんに、それを見下すように嘲笑うヤムライハさん。

シャルルカンさんには目を向けず、私は本を読みながら返事をした。



『失礼。私も剣術の良さは分からないもので。』

｢な……！？｣

｢さっすがミュセル！やっぱりあなたは最高よ！！｣


そう言ってヤムライハさんは私に抱きついてきた。

この人……抱きついてくるのは構わないんだけど、胸がどうにかならないのかしら………


『大体、運動という行為そのものが理解できません。
運動なんて概念はこの世から消えればいいんです。』

｢そこまで言うか！？｣

『はーいそれでは運動がなくなった世界を想像してみましょー。』

｢せめて棒読みで言うのやめてくれ！｣


そんなシャルルカンさんの大きな声を無視して続ける。

まったく…図書館では静かにしてっての……



『まず、学校から体育の授業が消えますね。
そして代わりに国語の授業が入ります。
なんて素晴らしいんでしょう。』


｢素晴らしくねえよ！
大体なんで体育の代わりに国語なんだよ！｣


『え、体育の授業が国語にならないなら何になるんですか。』


｢だから体育のままでいいんだってば！｣


｢さっきからうるさいわよ、剣術バカ。｣


『そうですよ、静かにして下さい。』


｢あ、はい。｣

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