【マギ】愛書家少女は恋を知らない。【ジャーファル】

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｢…………ねぇミュセル｣

『なんです。まさか私が海に入るとでも思ったんですか？』

｢だとしてもなんで私まで砂遊びなんかしなくちゃいけないんだよ！！｣

『ふん。そういうことは砂遊びの奥深さを知ってから言うべきですね。』



私と背中合わせに砂でシンドリアの王宮を作っているジャーファルさんにそう返す。

ちなみに、同じく私も砂の王宮を作成中。

なぜこんな事になったかはご想像にお任せしますね。まぁ成り行きってやつです。


……よし、白羊塔は完成ね。水でペタペタと固めながら次の作業へと移る。

砂遊び。なんて言うと子供っぽいと思われがちだが、サラサラとした海の砂で城を作るなんて簡単に出来るものではない。

それにシンドリアの王宮は複雑な造りになっている。

それを忠実に再現するのはかなり面倒くさい。

ね？“砂遊びなんか”ってバカにしちゃいけないんです。


そうだ、せっかく作るんだから何かしなきゃつまんないかもね。

私はそう思って後ろのジャーファルさんに声をかけた。


『ジャーファルさん、せっかくですし勝負にしません？』

｢は？勝負？｣

『より上手く作れた方が勝ちって感じで。
あは、私が勝ったら飴を要求いたしますね〜』


そう言いつつクスッと笑っ……たところでどうせ向こうには見えてるわけないが。

しかしジャーファルさんが少し笑ったのはなんとなく感じられた。


｢いいよ、ノった。こっちが勝ったら？｣

『じゃあブラック企業……おっと失礼。政務室で３日間働いてやりますよ。』

｢え！？本当に！？い、今の忘れたとは言わせませんよ！？｣

『負けないのでご心配なく？』


この前の１件以来、ジャーファルさんは幾度となく私に仕事を押し付けてくる。

いやいつも図書館に籠城して何とか逃げてるが。


ま、賭けるものも決まったことですし、ちょっと本気出して作りますかね。

私は王宮のマップを頭に浮かべながら手を進めた。


＊ ＊
ビーチバレーのアイデアはお友達のカマズミ様から頂きましたっ
砂遊びはお友達のむす様の｢落とし穴を作る｣というすごいアイデアからw
二人ともありがとうございましたー！

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