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ガラッと開かれた図書館の扉。
それと同時に足を踏み入れようとする緑の政務官さん。
しかし私はその前に立ちはだかった。
「………なんですかミュセル。
私は資料を取りに来たんだけど。」
『あらジャーファルさん。
残念ですね、図書館はもう閉館でーす。』
キッとこっちを睨んでるジャーファルさんに鍵を見せつけながら棒読みで伝える。
「はぁ?まだ鐘鳴ってないけど。」
『あはは、あと3秒で鳴るからご心配なく。』
私がそう言ったぴったり3秒後、終業…もとい閉館時間を告げる鐘が鳴った。
『はい閉館です。帰って下さいます?』
「別にいいでしょ。こっちは今すぐ資料がいるんです。」
『嫌です。勤務時間外に仕事はしない主義で。』
「いつも夜遅くまで図書館に篭ってるくせに何言ってんの?」
ツーンとそっぽを向いてその場から動かない私を見てジャーファルさんはわざとらしくため息をつく。
そしてゴソゴソとポケットを探り出した言った。
「はいはいわかった。飴玉あげるからそこどいて。」
『……なんでも食べ物で釣ろうとする癖、直した方がいいですよ?
誰もがみんな食べ物で動くとは限りません。』
「あっそ」
『…………なんで飴玉を仕舞うんですか。
誰がいつ“いらない”なんて言いました?』
「…………」
『なんですかその目。』
ジャーファルさんは「別に」と答えると私の横をすり抜け、図書館に隣接された資料庫へ向かった。
その背中を睨みながらコロンと飴玉を口へ入れる。
ジャーファルさんから貰ったものであろうと、やっぱり飴は美味しい。
それに手が汚れないから本を汚さないで済むし、これ以上ないくらい素敵な食べ物だ。
適当にその辺にあった本をパラパラとめくる。
そうしているうちにジャーファルさんも資料を持って戻ってきた。
「勤務時間外に邪魔したね、ミュセル。それじゃ。」
『ええ、二度と来なくていいですよ。』
「うるさい。」
バンッと少し荒々しく扉を閉めたジャーファルさんに、もっと静かに閉められないのかと心の中で悪態をつく。
ガリッと噛んだ飴玉は、酸っぱいレモンの味がした。
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紀美野愛(プロフ) - ranuさん» ほんとですか!ありがとうございます!私も白雪姫の回は気に入ってるのでとても嬉しいです笑 (2016年7月21日 9時) (レス) id: 0fab2bc529 (このIDを非表示/違反報告)
ranu - 白雪姫の話めちゃくちゃ面白かった!!!ミュセルとジャーさんのツッコミ確かになwwww都合良過ぎるししかもsi体愛好家の●●で目覚めるってwwwww・・・・まぁとにかく、めっちゃくちゃ吹き出しました。。。。 (2016年7月20日 20時) (レス) id: a075aa479c (このIDを非表示/違反報告)
紀美野愛(プロフ) - カマズミさん» あぁ!ビーチバレーか!ありがとう!落とし穴wwww (2016年3月7日 21時) (レス) id: 0fab2bc529 (このIDを非表示/違反報告)
カマズミ(プロフ) - フツーにビーチバレーとかかなー、って思ったら下にすごい人がいたww (2016年3月7日 21時) (レス) id: f71029ae57 (このIDを非表示/違反報告)
紀美野愛(プロフ) - むすさん» 待って笑ったwwwww館長さんが真顔で落とし穴作ってるとこ想像しちゃったんだけどwwwww (2016年3月7日 20時) (レス) id: 0fab2bc529 (このIDを非表示/違反報告)
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