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ドサドサドサッ
『うわぁ!?』
大量の書類が卓上雪崩を起こした音で目を覚ました。
え、ちょっと待って……私、寝てたの…?いつから…?っていうか今何時!?
急いで時計を見れば、時計の長針と短針がてっぺんで重なっている。
………要するに午前0時。
『うわ…最悪……』
ぜーったい怒られるじゃない……
どうせあの人のことだからまだ起きてるだろうけど…あーあ……政務室行きたくない……
「アホーアホー」
『うるさいです、焼き鳥にしますよ。』
タイミングよく変な鳴き方をしたフクを睨みながら重い腰を上げた。
*
コンコン、と政務室のドアを控えめにノックする。
『……ミュセルですけど…』
しかし返ってきたのは静寂のみ。
………返事はないが、灯りは漏れている。
恐らく中にはいるだろう。あいつのことだし集中しすぎて気づいてないんじゃないの?
そんなことを考えながらドアノブを捻った。
『あのー?』
中を覗きながらもう一度そう呼びかけても何も返ってこない。
けれど人のいない政務室を少し見回すと、奥の席に緑のクーフィーヤが見えた。
なんだ、やっぱりいるんじゃない。
ツカツカと足音を鳴らせて近づいても、政務官様は無反応。
しかし目の前まで来てようやく異変に気がついた。
『…あれ?』
「スー……」
…………寝てるし!
図書館長に仕事押し付けて自分は寝てるし!
いや私だって寝てましたけど!
もうこの際起こしてやろうと、書類の山をダンッと真横に勢いよく置く。
が、起きる気配はない。
……それでいいのか元暗殺者。
なんかもうムカつくからちょっとイタズラしてやろうかな。
そう思って私はコーヒーカップを手に取った。
うん、徹夜明けならひっかかってくれるかもだし。
というわけで着々とイタズラの準備を始める。
…と、ちょうど終わったところでふとジャーファルさんを見た。
固く閉じられた目の下にはかなり濃いクマ。
……どうやったらこんなに濃くなるのよ…
そして隣の未処理の仕事の山に目を移す。
……こんなに多い量をジャーファルさん一人でやるとして、6時間ってところかな。
ってことは今日も徹夜ね、ご愁傷様だわ。
ふんっと嘲笑うが如く鼻を鳴らす。
が、頭の中にはそれと真逆の嫌なことが浮かんでいた。
“───じゃあ、私が手伝えば徹夜せずに済む?”
なんて。考えたくもないのに浮かぶ。
『はぁ……』
飴20個はせびってやる。
そう思いながら書類へ手を伸ばした。
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紀美野愛(プロフ) - ranuさん» ほんとですか!ありがとうございます!私も白雪姫の回は気に入ってるのでとても嬉しいです笑 (2016年7月21日 9時) (レス) id: 0fab2bc529 (このIDを非表示/違反報告)
ranu - 白雪姫の話めちゃくちゃ面白かった!!!ミュセルとジャーさんのツッコミ確かになwwww都合良過ぎるししかもsi体愛好家の●●で目覚めるってwwwww・・・・まぁとにかく、めっちゃくちゃ吹き出しました。。。。 (2016年7月20日 20時) (レス) id: a075aa479c (このIDを非表示/違反報告)
紀美野愛(プロフ) - カマズミさん» あぁ!ビーチバレーか!ありがとう!落とし穴wwww (2016年3月7日 21時) (レス) id: 0fab2bc529 (このIDを非表示/違反報告)
カマズミ(プロフ) - フツーにビーチバレーとかかなー、って思ったら下にすごい人がいたww (2016年3月7日 21時) (レス) id: f71029ae57 (このIDを非表示/違反報告)
紀美野愛(プロフ) - むすさん» 待って笑ったwwwww館長さんが真顔で落とし穴作ってるとこ想像しちゃったんだけどwwwww (2016年3月7日 20時) (レス) id: 0fab2bc529 (このIDを非表示/違反報告)
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