【マギ】愛書家少女は恋を知らない。【ジャーファル】

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ガラリと開かれた扉。

そして入ってこようとするジャーファルさん。

しかしそこへ立ちふさがったのはいつものように私ではなく、小さな茶髪の男の子。


｢…………え？｣

ジャーファルさんは予想外だったようで目をぱちぱちさせた。


｢え、えっと…君は…？｣

｢いやなんか館長が追っ払ってこいって言うから…｣

｢……おいミュセル。あんた子供になにやらせてんだよ。｣


うげっ…せっかく喋らずに追っ払えると思ったのに結局こっち来たじゃない……


『別にいいじゃないですか。
あ、ちょうどいい機会なので言っときます。
その子がフクロウの世話係のソラくんです。』

｢はぁ？｣


怪訝そうに眉を寄せてソラくんを見るジャーファルさん。

そして再び私へと視線を戻した。


｢なに、あんた子供に押し付けたの？｣

『可愛い部下に押し付けたあなたにとやかく言われる筋合いないですからね。』

｢可愛い部下？はは、全く可愛げのない部下の間違いでしょ。｣

『……相変わらず失礼ですね。
とにかく、そういうわけですから。』


少し強引に話を終了させたが、ジャーファルさんはそれでは納得しなかったようでソラくんを覗き込んだ。


｢君はそれでいいんですか？
ほら、あいつに脅されたとか……｣

……いや私どんなやつだと思われてるのよ…

ちょっと流石に失礼すぎじゃない？

けれどそこはちゃんと首を横に振ってくれたソラくん。


｢別にいいよ。俺、動物とか好きだし。｣

｢……ほんとに？｣

『しつこいですよジャーファルさん。
ていうか私は友達脅すような薄情者じゃないです。』

｢………ん？｣

『なんです？』

｢…え？友達？｣

『…悪いですか』

｢い、いや別に………｣


……なによその“お前友達いたのかよ”みたいな目は。

さっきから本当失礼だわ。


｢まぁ君がいいならいいです。
そういえばフクロウの名前とか決めないの？｣

『あー……もうフクロウでいいんじゃないですか？』

｢いやそれじゃフクロウが可哀想だろ！｣


そうつっこんだのはソラくん。

ツッコミキャラがこの場に2人とか有り得ないわ…

えーと、フクロウの名前ねぇ……


『んー、じゃあ鳥とか』

｢いや適当すぎだろ｣

『それじゃもう山田で。』

｢どういう経路を辿って山田に至った！？｣

『うるさいです。そう言うならあなたが考えてよ。』

｢えー、んー……フクとか？｣

『………安直…』

｢あんたには言われたくない！！｣

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