【マギ】愛書家少女は恋を知らない。【ジャーファル】

18ページ ▽女の子しましょう。 ページ21

｢よし！それじゃあ第１回女子会のはじまりはじまり！！｣

『第２回はないですからね。』


そう言って私はため息をついた。

ついさっき。

ピスティさんとヤムライハさんがいきなり図書館に押しかけてきたかと思えば、｢女子会やろう｣の一点張り。


うん、全くもって意味がわからない。

まぁその意味がわからないことを許可してしまったわけだけど。

しょうがないじゃない？飴あげるって言われたんだから。


『そもそも女子会なんて何を話すんですか？』

｢んー、恋バナとか？｣

そう言って苦笑いするヤムライハさん。


｢そうそう恋バナ！
あ、そういやヤム！どうだったの？
この前言ってたヒゲの武官の人……｣

｢そうなのよ〜！ちょっと聞いてよ！
私また振られ『た話は置いといて。恋バナなんて私はないですよ。』


私はヤムライハさんの永遠に続くであろう愚痴話を上手く回避し、そう言ってピスティさんを見る。

するとピスティさんは思い出しように手を叩いた。


｢そうだ！今日はミュセルたんの話を聞きに来たんだった！｣

『えっ』

｢あ、そうだったわ！
ねぇミュセル。あなたその歳になってまだ浮いた話の一つもないわけ？｣

『……ありませんよ。興味ないので。』


うん、本当に興味ない。

ぶっちゃけ恋なんて何でするのかわからない。


｢え〜、またそんなこと言って！
この前また告白されてなかった？｣

｢え、また！？相変わらずモテるわね〜
告白されたの、今月に入って何人目？｣

『………7です』

指折り数えてそう言うと、２人はわざとらしくため息をついた。


｢………こんっだけモテてるのに、なーんでここまで興味持たないかなぁ｣

『しょうがないじゃないですか。
ないもんはないです。私には本があればいいんです。』

｢出たー…流石は愛書家さんね……｣


そうよ、私には本と図書館があればいい。

そんな年頃の女の子のような甘酸っぱい話はのーせんきゅーよ。


｢もう！もっと女の子しようよミュセルたん！｣

『女の子するなんて言葉はないです。』

｢それ言ったらタイトル変えなきゃなんだけど！？｣


何故かムスッと頬を膨らませるピスティさん。

そんな怒られてもなぁ……

しかしピスティさんはいきなり思い立ったようにバッと立ち上がった。


｢よし決めた！｣

『え』

目を瞬かせる私を、ピスティさんはそのままビシッと指さした。


｢今日は１日！ミュセルたんに女の子してもらいます！｣

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