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「よー、倉持」
「……遅ェよ」
悪い悪い、と適当に謝りつつ、高校んときの先輩から後輩までが集まっているテーブルの一角に腰を下ろす。
Aを駅で下ろしてから向かったのは、大人数で気軽に騒げる居酒屋。着いてすぐビールを勝手に頼まれて苦笑していれば、少し酔っているらしい倉持が眉間を寄せながら睨んできた。
「……そんな睨むなよ、悪かったって」
「そうじゃねーよ」
「水野のことだよ」と言いながらビールに口をつける倉持には、やっぱり何もかもお見通しで。さて、どう誤魔化すか――――などと、考えていたけど。
「お前、まだ水野のこと好きだったんだな」
「………………は？」
「高校んときからバレバレなんだよ」
頭の中で展開されていた何パターンかある誤魔化すための嘘が全て弾け飛ぶ。コイツが人のことをよく見て、さらにその奥まで見抜く力があることはよく知っていたつもりだったけど、まさかここまでとは思っていなかった。
横目でチラリと周りを見回して、誰にもこちらの話が聞こえていないかどうかを確認する。恐らく大丈夫だが、警戒していく必要はあるだろう。
鳴の結婚式を口実に集まった人たち――青道の野球部のOB達は、現役時代からずっとだが恋愛話に対してものすごい興味を抱く。だからバレないようにしないと、めんどくさい。
小声で話すために倉持の隣に移動する。その上で運ばれてきたビールをとりあえず一口含んでおく。酒が入った方が、少しは言いやすい。
「――――……一回は諦めたんだけどな」
「……おう」
「やっぱ久々に会うと、駄目だな」
八年前、まだ俺は高校生で、子供だった。
好きだとか愛だとか彼女だとか、そんな恋愛モノなんて、野球に夢中だった俺には、興味なんてないに等しかった。
それでもあの時――Aから鳴についての相談を受けたとき、俺は初めて嫉妬というものを覚えた。そこでやっと恋心というものが何なのかを理解できた。
付き合ったことがないわけじゃない。ただ人を好きになるということがどういうことなのかよくわかっていなかっただけだ。
だけど、今となっては、これだけは言える。
俺は、あいつが、好きだった。
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shinox2(プロフ) - 無事に終わって良かったです(^-^) (2019年1月4日 19時) (
レス) id: c23d485c4b (このIDを非表示/違反報告)
みりん(プロフ) - あおいさん» 返信遅くなって申し訳ありません。応援ありがとうございます、すごく嬉しいです。これからも少しずつ更新を続けていきますので、どうか完結までお付き合いください。 (2018年9月3日 23時) (レス) id: beb33fecd4 (このIDを非表示/違反報告)
あおい(プロフ) - いつも更新するのを楽しみにしつつ読んでいます！大変かもしれないですが、応援しています☆ (2018年8月19日 23時) (レス) id: 590107ddb0 (このIDを非表示/違反報告)
みりん(プロフ) - ますみさん» はじめまして。応援ありがとうございます！がんばらせていただきます！！〜 (2018年8月19日 19時) (レス) id: beb33fecd4 (このIDを非表示/違反報告)
ますみ(プロフ) - はじめまして。御幸とヒロインの関係を読んでいていいなと思いました！これからも更新頑張ってください！応援してます！ (2018年8月11日 9時) (レス) id: b7489a665b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みりん | 作成日時：2018年4月15日 20時
