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「嬢ちゃんいくつだ?」



「25ですよ」



「へぇ、俺の一つ下か」



「あ、一つ上だったんですね」



「ここ長いのか?」



「んー、かれこれ1年くらい続いてますね」



「昼もあるのに、夜も働いて頑張るなぁ」



「いまのうちに稼いでおかないと」



「立派なんだなぁ」



「いえ、そんな。あ、お酒作りますね」




おいおい、なんだこれは。


話が尽きるどころかいいテンポでどんどんと盛り上がる。これほどまでにお喋りな方だったのか。いろんな話をするが決して相手を不快にさせるような内容は一切持ち込まない。




初めて話すが、なんとなくわかる。この人は人一倍情が熱く、考えて行動するタイプだと。




ただ、見た目で勘違いされる人なんだろうな。


見た目で判断するなと言うがここまで凄い違いは誰も想像できないだろう。裁縫や料理、お菓子作りも出来るらしい。

おかんかよ。




__本当に驚かされてばかりだ。








「本当、こんなに酒がおいしいと思ったのは今日が初めてかもしれねぇな」


少し口角をあげて目元が優しくなる。









こんな表情もするんだ。





「紅郎さんはよく飲みに出歩かれるんですか?ほら、紅郎さん居たら絶対目立つのに見ない顔だなって」


少し身を乗り出して問いかければ、紅郎さんの表情が雰囲気がなんとなく曇る。







「いや、最近越してきてな。まぁ、たまに飲みに出ることもあるがよ、どーも俺がこの面だから店の女の子もびびっちまって話をしてくれねぇでな…。面白くなかったんだよな」



少し寂しそうに眉を下げて話を続ける。


「……でもよぉ、嬢ちゃんは別だな。俺が呼んだからついてくれたっつーのもあると思うが、他の子と違ってビクビクしてねぇから、気を使わずに話せるな。俺のことを分かろうとしてくれるっつーかよ。本当、女の子と話すのがこんなに楽しいなんてなぁ…。ありがとな、嬢ちゃん」




言われた言葉は嬉しいのに、しんみりした気持ちになる。





きっと紅郎さんはきついこの顔に多少のコンプレックスがあるのではないだろうか。話しかけても怯えられたり、逃げられたり。本当の自分を分かってもらえずに。沢山の苦労や、辛い思いをしてきたのかな。今までの話をきいて、そんなことを思う。



確かに見た目は、きついと思うがパーツ別でみても全体的にみても綺麗な顔だ。整っている。


そこがまた怖く見られるのだろう。





勿体ない。いい人なのに。話せば楽しいのに。

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あるびおん(プロフ) - Mashiro Lioさん» コメント頂き有難う御座います。とても褒めてくださって、感謝しかないです!適当な内容にしたくない為に更新は遅くなりがちですが、気長に見てくださると助かります。今後のストーリーの展開も、予想外になる可能性がありますがお付き合い下さいますと嬉しい限りです。 (2020年11月7日 18時) (レス) id: 8484e311ec (このIDを非表示/違反報告)
Mashiro Lio(プロフ) - 昨年度から拝読しております。本当に素敵なお話で、初めて見たとき、つい読み入ってしまいました。地の文の描写が全体的に綺麗で、ストーリーも続きが気になって、もっと伸びろ!と毎度思います。これからも、ご無理のないように更新頑張ってください。 (2020年10月26日 7時) (レス) id: 97626e8ffb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あるびおん | 作成日時:2019年2月12日 7時

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