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「・・・冗談なんかじゃねぇからな」




「・・・はい」




「こんなこと誰にでもするわけでもねぇし、したこともねぇ」




「・・・は、い」







上手く喋れているだろうか。




いきなりの事で頭が追いつかない。




「会って間もないのにって思うかもしれねぇし、店の子と客なんざ色恋だのなんだのとか思われるかもしれねぇ、」




“でも好きなんだ”


“いつも嬢ちゃんの事を考えちまってる”




そこまで言い終わると、急に恥ずかしくなったのか大きな手のひらで顔を覆ってしまった。




「・・・わり、今日言うつもりなかったけど気持ちが抑えられなかった」





“酔った勢いでって思われたくなくてな”








自分とは正反対な人だ。



お酒の力に任せて言ってしまうなんて、賢くも強くもなんともないじゃないか。
紅郎さんの方が余程強くて誠実だ。


さっきまで自分が考えていたことがはずかしくなる。


こんな素敵な人、居たんだ。


でも、だから好きになったんだ。




好きになれてよかった。


出会えてよかった。



そう思えば次は「両思い」という言葉が自分の感情を支配して顔に熱が篭るのがわかる。






「・・・もう、落ちちゃってますよ」





嬉しすぎて頬がだらしなく緩むから、両手で顔を覆う。



好きな人の好きな人になれたことって、こんなにも嬉しくて幸せだったっけ。






「えっ、じょ・・」





瞳から溢れた感情が、頬を濡らしていく。






「だから・・・っ、好きなんです。紅郎さんのことがっ」








あぁ、隠したかったのは涙だったんだ。

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あるびおん(プロフ) - Mashiro Lioさん» コメント頂き有難う御座います。とても褒めてくださって、感謝しかないです!適当な内容にしたくない為に更新は遅くなりがちですが、気長に見てくださると助かります。今後のストーリーの展開も、予想外になる可能性がありますがお付き合い下さいますと嬉しい限りです。 (2020年11月7日 18時) (レス) id: 8484e311ec (このIDを非表示/違反報告)
Mashiro Lio(プロフ) - 昨年度から拝読しております。本当に素敵なお話で、初めて見たとき、つい読み入ってしまいました。地の文の描写が全体的に綺麗で、ストーリーも続きが気になって、もっと伸びろ!と毎度思います。これからも、ご無理のないように更新頑張ってください。 (2020年10月26日 7時) (レス) id: 97626e8ffb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あるびおん | 作成日時:2019年2月12日 7時

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