p e r f e c t _ 5 (ページ26)

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「理央さん、裾少し変更しました。テールカットに変更したので、足元は見やすいと思います。」

『…ありがとう、』

「理央さんがいってた色より少し薄い色になってしまいましたが、元々の衣装を切って、内側にチュールとして使ったので、動いたりしたら見えると思いますよ、」

『うん、そうだね、』

衣装に腕を通している理央さんに
衣装資料の紙を見せながら変更点を説明する。

昨日書き込こんだ変更点、
理央さんは、変更点を不安そうな目で見つめていた。

「理央さん足長いから、きっと綺麗だと思います。」

『ん、ごめんね、』

「いいえ、お役に立てて嬉しいです。…絶対無事に終わらせましょうね。」

『ありがとう、』

不安もあるだろう、
当たり前だ。

彼女は昨日、

あの高さのトロッコから落ちたんだから。

自分では想像もつかない怖さだ。
ただでさえあの高さにいるっていうのに、
そこから落ちるというのは
自分の中では、想像もつかないことだから。

でも、

「なにか、不安なことがあったら言ってくださいね。」

『…遅くまで、ありがとうね。』

「いえ、私たちは、ただ、」

「8人でステージに立つのが見れれば、それでいいんです。」

彼女は笑っていた。
その笑みが、なんなのか、私には分からなかったけど。

けれど、少しでも不安がなくなるなら
なんだってできると思ったから。

衣装に着替えた彼女は、
想像よりもはるかに綺麗で、

輝いていた。

宇「A。」

「実彩子、…」

宇「随分遅くまでやってたみたいね、」

「まぁね。でも、その甲斐あったかなって思う。」

宇「そうね。理央もだいぶ雰囲気よくなってたし、…」

「まだなにか不安なことあるみたいだけど、やっぱり私にはまだ分からないことばかりだから、あとは、実彩子たちにしかできないと思うから。」

宇「あとは私たちがちゃんと見ておくよ、」

「よろしくお願いします、」

宇「うんっ、Aも、あんまり1人では詰め込みすぎないでね。」

きゅ、と笑みを浮かべる。
理央さんだけじゃない、

あの瞬間を目の当たりにした実彩子も、
もちろん他のメンバーも、

たくさんの不安を隠して、
あのステージに立とうとしてる。

宇「よし、いってくるね。」

「いってらっしゃい、」

見守るしかできない。

信じることしかできないことが、
これほどまでに悔しくて仕方ないなんて。

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