クールビューティは知っている

KZ　 ページ4

水晶玉のような瞳が煌めく。

そして、そいつは皮肉の笑い、言った。

「コーチに怒られるぜ。」



それにいち早くチビが反応する。

「まじかよ、何周走らされんだ！
　急ぐぞ！」




そうして、その他大勢はあっという間に去っていった。


なんか……嵐がきたみたいだったな。





確か、あいつらが来ていたパーカーには、KZ(ケーゼット)と書いてあった。

なんかのチームか？




首を傾げていると、近くの男子が教えてくれた。

「あいつらはサッカーチームKZ(カッズ)。
　秀明っていう塾で、文武両道で取り入れたらしい。」



へぇ、教えてくれてどーも。


軽くお礼を言うと、そいつは我慢出来ないというように、声を上げる。


「てか、立花、カッコよすぎだろ！
　あの横暴な若武に口で勝って、帽子被せるとか、ドラマかよ！

　まじ、お前に惚れそ。」



うん、好かれても嬉しくない。

面倒なことになる前に帰ろっと。




そうして、家へ行く足を早まらせた。




私はこのとき、予想もしていなかった。



まさか、あんな男子の言うことが当たり、ドラマ的展開になっていくことを。

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