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「なるほど、拳銃か……」
「まぁ、これ以外先手が取れそうなのが思いつかなかったんだよね。そう思うと本当に飯田くんのスピードは脅威だ」
「吉澤さんでもそう言うのか……」
そこから緑谷はブツブツと考え事を始めてしまった。よく見かけるオタクモード全開の姿なので、慣れたようにAも考え事を始まる。
「本当に、どうしようかな……」
「へっ？何が？」
「…あれ？聞こえてた？」
「う、うん。何か悩み事でもあるの？」
「うーん」
まさか聞かれていたとは思わず、Aは曖昧な返事を返した。
……でもまぁ、緑谷なら誰にも話さないだろうと変な信頼を持っていたので、「実は……」と話し始めた。
「私の個性って、体育祭向きじゃないと思うんだよね」
「え？そんなことないよ！どの競技でも活躍していたじゃんか！」
「あ、ありがとう。でもごめん、そういう意味じゃなくて……プロヒーローに、アピールしにくいって意味で」
「あ、あー……なるほど」
「個性を使っているってのは分かるんだけど、なんの幻覚を使っているのかが目で見て分からないから、そういった意味では盛り上がりに欠けるし、ちゃんと私の実力を知ってもらえるチャンスがあんまりないんだよね」
昼休みに流れていたハイライト。Aはどちらかといえば騎馬戦の時の方が大掛かりに個性を使っていたのだが、流れていたのは障害物競走のロボットのシーンのみ。
あまりメディア受けはしそうにない個性だ。
「だからさ、実は体育祭までの2週間で、『とっておき』を用意したんだ」
「とっておき？！まさか、プロヒーローにアピールするために……！！？」
「うん。ただ問題なのは、そのとっておきがまだ1日1回しか使えないんだよね」
「つまり、そのとっておきをいつ使うか悩んでいるってこと？準決勝か決勝、どちらに使うか……」
「そうなんだよね」
「それは、難しいね……」
本当に、難しい。
………正直、準決勝で使ってしまいたい。
どうせ轟相手に長期戦となるのなら、いっそ開き直って後先考えずにアピールしてしまいたい。
今の体力と個性の残り回数なら、かなり派手にアピールできる。
でも、それだとやはり逃げだと思われるかもしれない。
いや、実際に逃げなのかもしれない。
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さくらもち(プロフ) - 夢桜さん» 感想ありがとうございます。体育祭での準決勝は、何度も頭の中でシュミレーションしながら文を考えたので、そう言っていただけて本当に嬉しいです！お気に入りもありがとうございます！ (2020年10月19日 12時) (
レス) id: ab0ed3cc07 (このIDを非表示/違反報告)
夢桜(プロフ) - ご感想失礼します。吉澤ちゃんが轟戦でWonderlandと叫んだ瞬間と、その個性の威力にとても驚きました！！戦闘シーンも分かりやすくそんな模写が頭を過ぎって凄い凄いと語彙力が飛んでしまいました……！お気に入り失礼します。これからも無理せず頑張ってください！！ (2020年10月18日 10時) (レス) id: 505f8e7c76 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さくらもち | 作成日時：2020年10月14日 7時
