泣き顔マニア ２

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「裕太の……、
裕太の気持ちが変わるならしても………、いい、けど……、」





なんなら裕太に抱かれることなんて
何度も夢見てきたんだから
それで気持ちまで変わってくれるっていうんだったら
喜んでこの体を差し出すんだけど……。




「…………、」


「何か言ってよ……」




大人しくなってしまった裕太に
しまった、って思ったけど
次の瞬間に私を見る目付きが変わって、息をのんだ。





「ゆ、裕太………？」





これ以上知ってしまったら戻れなくなるような
そんな恐怖すら感じるほどの、裕太の男の部分。




「……キスだけ、しよっか」




普段可愛らしくてふにゃふにゃしてる分
こういう時のこういうとこは、何倍の威力も放つんだな………。

もういよいよ心臓が止まっちゃうんじゃないか、って時に
いつの間にか唇は触れていた。





「…………しちゃった。」




凄く甘い声すぎて、耳が蕩ける。

前も一度だけキスはしたけど
場所が場所だからか、信じられないくらいドキドキしてる。





「…………もっと、」


「ん？」


「もっと触れてほしい……」





自分でも驚くほどの発言をしちゃう自分が恐い。

でももうチャンスを逃してる暇はないんだ、
もっとお互い知って、進んでいかなきゃならないのに





「…………そんなこと言ってると
本当にがおーしちゃうぞ」




って、おふざけモードに戻ってしまった。






「………、」



「こら、そんな冷めた顔で見ない」


「だって……、」





せっかく男モードになって
いい雰囲気になるかと思ったのに。

真面目……、なんだよね。




「そういうAもさ
北山先輩はもういいの？」


「え？」


「まだモヤモヤはあるんじゃないの？」




全部見透かしてるようにそう言ってくる裕太に
ドキッとしてしまった。

裕太に完全に翻弄されてるとはいえ
その名前を出されたら、動揺しちゃうのも事実なわけで。





「そんなことない……よ、」




でも言えない…。

私は裕太が好きなんだもん………、
そうだよね？

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