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「……先輩、」
体全てから感じる先輩の体温。
微かに触れてる鼓動が
わたしと同じくらいの早さで、ドキドキしてるのが分かる。
「俺さ、本当にAが好きなんだよ」
「……はい、」
もう何度か聞いてるその言葉でも
ひとつひとつ聞く度に私の心を揺さぶってくる。
「でもこれで最後にするから聞いて?」
体を少し離して
至近距離で見つめられて、
「Aが好き。
俺とずっと一緒にいて欲しい」
真っ直ぐに伝えられるその気持ちに
また鼻の奥がツンとしてきた。
泣いちゃダメだ、って思うのに
先輩に甘やかされまくってる私は
結局堪えることなんて出来なくて。
「…………っ、」
「……なんの涙なのよ、それ」
「…分かん、な………、ごめん、なさい…っ」
この状況で泣くなんて狡くて困らせるのは分かってる。
けど、困ったように眉を下げながらも
ポンポンしてくれるんだもん……。
「やっぱ俺じゃダメ?」
「ち、違うっ……」
「え?じゃあいいの?」
「いや………」
好き、なんだと思う。
失いたくない、って思うし
先輩といたらずっと笑えて幸せな未来しか見えない。
だけど……
「ちゃんと言いたいこと言えって。
そうじゃないと俺も納得できないから」
暗闇に慣れてきた目に
先輩の少し不安げな映って、その表情が胸を締め付ける。
本気な気持ちだからこそ
私も本気でぶつからないといけないんだ……。
ギュッ、と無意識に手のひらを握りしめて
気持ちを逸らさないように、先輩を真っ直ぐに見つめた。
「先輩のことは……、好きです。
だけどどうしても…、ずっと胸にあるおっきな気持ちが消えなくて……… 」
「それは玉に対する気持ち?」
コクン、と頷くと
先輩が初めて私から目を逸らしたから
それだけで私は不安になってしまう。
見放さないで、って思ってしまったのか
直ぐに言葉を続けた。
「でも先輩といると本当に楽しくて
好きって思うし、離れたくないって思えるから……」
「………だから?」
………先輩と一緒になりたい、って続くはずの言葉が
喉にひっかかったように、出てこない。
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はちみつみゆ(プロフ) - みちこさん» ありがとうございます〜!相変わらずの北山先輩エンドで申し訳なかったんですけどそう言ってもらえると安心です、助かります(;▽;)北山先輩とのその後はいつか書けたらいいなぁ…と思ってますので、北ニカ作品共々また宜しくお願いします♪ (2020年9月27日 13時) (レス) id: cbb2d30d12 (このIDを非表示/違反報告)
はちみつみゆ(プロフ) - あやかさん» こちらこそありがとうございました!結局行き着くとこは北山先輩とのハピエンでなんだか私の願望みたいになっちゃうとこ直したいんですけどね。笑 私もいつかは番外編も書きたいと思ってますのでその時はまた宜しくお願いします♪ (2020年9月27日 13時) (レス) id: cbb2d30d12 (このIDを非表示/違反報告)
はちみつみゆ(プロフ) - mitsuwakoさん» ありがとうございます!お陰様で完結させていただくことが出来ました(^^)ハラハラしてくださったなら良かった…安心…笑。可愛いとこもあるのが北山先輩のいいとこですよね♪こんな先輩私たちの前にも現れないもんですかねぇ…笑。長い間ありがとうございました! (2020年9月27日 13時) (レス) id: cbb2d30d12 (このIDを非表示/違反報告)
はちみつみゆ(プロフ) - ちょうすけさん» ちょうすけさん!本当に毎度毎度いつもありがとうございます〜!涙 続編ですね、いつか本当に書きたいんですよねぇ裕太と遥さんも交えて(^^)ニカちゃんメインの方もまた更新頑張っていくのでまた宜しくお願いしますね♪ (2020年9月27日 13時) (レス) id: cbb2d30d12 (このIDを非表示/違反報告)
みちこ(プロフ) - お疲れ様でした!ミツ担故北山先輩とハピエンで終わってほしかったので^_^この結末は嬉しいです!次は北ニカですか^_^そちらも楽しみですが主と北山先輩との続きも気になったり(^^)またお邪魔します^_^ (2020年9月18日 17時) (レス) id: c83a8a8018 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はちみつみゆ | 作成日時:2020年7月10日 15時