恋愛注意報 ２

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「ねぇっ、もう大丈夫だからっ」


「なんでよ、上手くなりたいんでしょ」


「で、でも教え方がチャラすぎて…」


「口で教えてもうまく伝わんねぇし
こうすんのが一番手っ取り早いんだよ」


「・・・」







そう言われたら何も言えないけど、


でも、でも、でも…………、








「っぷ、くくくっ」


「え？」







密着されたまま一人で動揺してると
後ろから我慢してるような笑い声が聞こえてくるから振り返った。







「なにっ？！」


「あは、ごめんごめん可笑しくて」


「な、なによっ、からかわないでよバカっ！」







絶対年上を弄んでからかってる！
恋愛経験がないからって
自分の得意技でめちゃくちゃにからかってるじゃん！

もう離して、って北山くんから離れると








「ごめんって、からかってるわけじゃないから」








せっかく離れてもまた触れられる。









「からかってるじゃん……」


「からかってるんじゃなくて
可愛いなぁって思ってんの」


「かわいい……？」







腕を掴んでた手を私の頭に乗せて
ポンポンと優しく撫でてくるから、危うくボーリングのボールを落っことしそうになった。








「可愛いよ、ちょっとくっついただけで顔赤くして照れてさ」


「赤くしてないっ」


「してるよ、耳真っ赤だもん」







お互いにボーリング靴だからか
いつもよりも私のヒールの高さがないぶん、高く感じる北山くん。

見上げるように顔を見ると
目じりにシワを寄せてめちゃくちゃ愛しそうに笑ってる。








「や、やめて、その笑顔っ！///」


「なんでだよ」


「なんでも！」







北山くんは表情がコロコロ変わる。

中でも、鋭くなる瞳とこの愛しいものを見るなんとも言えない笑顔が最強だと思ってる。







「笑顔禁止令でた〜」


「別に笑顔禁止なわけではないけど…」


「んはは、意味分かんねぇよ」







もう笑顔が眩しすぎて
このキラキラについていけない私は
北山くんを押しのけて、そそくさとボールを投げた。








「はい、ガター」


「・・・」







こんな集中できない教え方じゃ
上手くなるはずもないもん。

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