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虚無 ページ5

「さ…琲世!それに
宇井さんに伊丙じょーとーまで」



そう、CCG界において
かの有名な二人がAちゃんの前に
守るようにして立ったのだ。



「三等捜査官の身分で…随分とご立派ですね。
ねえ、伊丙上等?」


「本当です宇井特等。
三等捜査官ごときが准特等捜査官に口出しなんて…ナンセンスです」


「う、宇井特等…伊丙上等…」


威圧が凄すぎてその他が霞んで見えた。

そのぐらい、珍しく二人は怒りを露にしていた。


「人のことを知りもせずにごちゃごちゃ言わんでほしーですねぇ」


「…す、すみませんでした…」


「謝る相手が違うでしょう」


「…っ、A准特等…。
…誠に失礼致しました」


「…んーや?私は全然気にしてないですよ〜」


威圧に潰されそうになりながら謝るも、
彼女はなんとも思っていないような笑顔だった。


「以後、私の"大切な友人"を
侮辱しないで頂きたい」

「…分かったな?」


ぎろり。

そんな効果音が相応しい程に
相手を睨んだ宇井特等に


「ひゃ、ひゃいっ!」

「すすすすみませんでしたぁっっ!」

「しっ失礼しますっ」


涙目で三等捜査官たちは去っていった。


「…だから、謝る相手が違うでしょうに…」


「まぁまぁ、一件落着ですね〜。
…んで、Aさーん!
お久しぶりです、会いたかったです」


「大丈夫だった?A」


「モチのロンっす。あざました
宇井さん、伊丙じょーとー、琲世」


「え、えぇ、僕は何も…」


本当に何も出来ませんでした…


「注意しようとしてくれたじゃないですか。
なかなか出来ないことです」

「嬉しかったですよ」


にこりと微笑むAちゃんは天使なのだろうか。


「…あぁ。居たんですね、佐々木上等」


「ど、どうも…」


「どうも」


やはり僕は宇井特等に嫌われているらしい…

少し悲しい佐々木です。


「それと、A。貴方もなんでガツンと言ってやらないの」

「Aがもっときつく言えばあんなこと言う奴も居なくなるのに…」


うんうん、と頷くハイルと同じく、
僕もそう思うので心の中で強く頷く。

少し悩む素振りを見せてから、
彼女はそう言った。



「ん〜…だって別に、どうでもいいです」





どうでもいい。


本当にそう思っているように
抑揚のない声のトーンと

光も闇も映していない
漆黒の深い瞳は


もう既に、"諦め"を物語っていた。





「特に気にしてないです」








貼り付けたような笑みの奥には、


本当に何もないのだろうか。

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あちゅ(プロフ) - つ、続きが…気になりすぎる!!!!! (2018年5月21日 3時) (レス) id: 21ec6c9989 (このIDを非表示/違反報告)
- 続きが見たいです (2018年5月12日 21時) (レス) id: a5de77afb3 (このIDを非表示/違反報告)
- めっちゃ面白いです!続き気になります(( (2018年3月31日 21時) (レス) id: 09905f0f4e (このIDを非表示/違反報告)
blackReaper(プロフ) - くっそ面白いのに終わりなんですか... (2018年3月21日 5時) (レス) id: 28830f5cdf (このIDを非表示/違反報告)
- とても感動しました!素晴らしい作品でしたこれからも応援してます (2018年3月10日 19時) (レス) id: e17635b3c6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:透夏 | 作成日時:2017年12月31日 16時

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