諦観 ページ14
いたい、いたいいたいいたいい
「ごめんなさいね。ボクだってこんなことしたいんじゃないんです」
「好きな子は傷付けたくないです」
「でもね、貴女がその気じゃないから」
「しょうがないことですよ」
「ボクが貴女を取り戻してあげる」
あぁいたい
「たす、けて」
「…ブフッ
_どうせ誰も助けになんか来ませんよ」
大好きなササキだってカネキだって
___ぐさり。
「たすけて、」
そう、いつも叫んでいた。
喉は潰されたから
ちゃんと声が出てたのかは分からないけど。
そう、いつだって届かなかった。
耳は取られたから
ちゃんと声が出てたのかは知らないけど。
「あ"ぁァあ、アぁ…」
いっぱいカラダをいじられて。
気付いたらバケモノになっちゃって。
ぜんぶぜんぶ、こわしちゃって。
「(いくらたすけてって叫んだって
誰も助けちゃくれないんだな)」
みんな見て見ぬフリだったなぁって。
この世界に絶望失望しちゃったりして。
「(…結局は独りなんだな)」
.
.
.
「…A、?Aなのか……?!」
「良かった…無事で」
「おと、…さ」
(大好きな、おとうさん!)
(助けてくれなかったクセに)
(あいたかった!)
(死んじゃえ)
「…!お前…、その、目」
「………こっちに、来てしまったんだな」
何かが破れる音が聞こえた。
ぎゅっと抱き締められる。
あったかくて嬉しいのに冷たくて寂しいよ。
「ごめん……ごめんな」
「…せめて、Aには……
普通の人間として
幸せに、暮らして欲しかった…ッ」
おとうさんの背中から、宝石が出てる。
きらきらきらきら羽みたい
赤くて黒くて、きらきらきれい
「…ごめんなぁ…ッA」
おとうさんの
目から、口から、鼻から、胸からも
赤くて黒いきらきらがたくさん落ちていた。
「…あれ?おとうさん?」
「あれ?あれれ?おとうさんおとーさん?」
あれれれ??
なんで__
「__もう大丈夫!」
「助けに来たよ!」
笑顔の男
動かなくなったお父さん
「"喰種"に襲われて怖かったね」
「もうだいじょぶべぇッ」
「_死ねよ」
(助けてなんて頼んでない)
「死ねッ」
(正義(ヒーロー)振るな悪党が)
「死んじゃえッ」
(人間振るな悪魔(ゴミ)が)
「死んじまえよッ」
(勝手な正義(エゴ)のせいで、お父さんは、おとうさんは、)
「みーんな、死んじゃえ」
所詮、正義はエゴなんだ。
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あちゅ(プロフ) - つ、続きが…気になりすぎる!!!!! (2018年5月21日 3時) (レス) id: 21ec6c9989 (このIDを非表示/違反報告)
凪 - 続きが見たいです (2018年5月12日 21時) (レス) id: a5de77afb3 (このIDを非表示/違反報告)
零 - めっちゃ面白いです!続き気になります(( (2018年3月31日 21時) (レス) id: 09905f0f4e (このIDを非表示/違反報告)
blackReaper(プロフ) - くっそ面白いのに終わりなんですか... (2018年3月21日 5時) (レス) id: 28830f5cdf (このIDを非表示/違反報告)
凪 - とても感動しました!素晴らしい作品でしたこれからも応援してます (2018年3月10日 19時) (レス) id: e17635b3c6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:透夏 | 作成日時:2017年12月31日 16時