無能【東京喰種】

余暇(2) ページ2

「くらもっさんに黒磐くん、
什造くんに半兵衛くん……あとは、」


＿ピンポーン





お、きたきた。


軽い足取りで玄関に向かい、
ドアを開くとそこには…


「はいはーい！お待ちしてましたよ
有馬さん、アキラさ……んんん？！？！」


「MerryX'mas」


二人掛りで横に担がれた

いい笑顔のAちゃんが。



「え、え、Aちゃん？！」


「MerryX'mas」


いい笑顔すぎるけど意味が分からない。


「A？！早速絵面ヤベぇな？！
いいのか有馬さんアキラさん？！」


「え、うそAちゃん！？」


「(なにっ…)A！」


「うおおぉぉAたんんんっ俺の嫁ぇぇぇ」


「こんちゃ」



そっと降ろされた彼女に抱きつくクインクスのみんな。

あの瓜江くんまでもがその輪に入っていて、
僕も堪らず彼女に抱きついた。



「おかえり、Aちゃんっ！！」



「えへへ、ただいまです…みんな！」




その笑顔に涙が出そうになった。




「なんだなんだ？」


「A上等…！復帰なさったのか」


「…俺も抱き着く」


「ならば私も抱き着こうではないか」


「ややっ！ボク達もいくですよはんべー！」


「之が青春…感激半兵衛」


その後、わらわらと全員が集まってきて
みんなでAちゃんを取り囲んでました。




「なんだこれ」






＿＿＿




「では、A上等の復帰も兼ねまして……
メリークリスマス！乾杯！」



「「「かんぱーい！！」」」


大勢でテーブルを囲んでグラスをあわせ合う。

カツンという音が響き渡る度に、
こうしてみんなと居られることの
幸福さに実感が湧く。


「いやぁ、本当に退院おめでとうございます！
A上等が帰ってきてくれて俺すげぇ嬉しいです！」


「く、くらもっさん…！」


「わたくしも、貴女のようなお方が復帰なされる事、誠に嬉しく思います」


「ブ、ブジーン…！」


「俺も、Aが元気になって良かったよ」


「き、きっしょーさん…！」


俺も！僕もです！私もだ！


そんな声があちこちから飛び交う。





「(＿こんなに嬉しいことはないですねぇ)」


「ふふっ。ありがとうございます、みなさん」



心から笑えるようになったのも、
みんなのおかげです。

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