衣更真緒は、思ったよりもどす黒い【衣更真緒】

衣更真緒の裏 Part21 ページ26

貴方視点





『ねぇ、誰と浮気した？何股かけたっけ？』



ニコニコ笑顔で、彼を問い詰める。
絵面的には私が不利だ。


颯斗「……5股はかけたかなぁ？」

『そのうち、私とほか4人高校生。


私より純粋な子達を股にかけたよね？』




私は、泣かなかった。絶対。
だけど、他の子は泣いた。彼を愛していた。
私は、ただ好きだった。



こいつは、笑ってた。



[楽しいもんだな。浮気って]


という言葉を残して。



『っ…離し、て』



颯斗「ん〜、無理な相談だなぁ。｣




くそ、こいつ離す気さらさら無いな。
痛いし、男女の差がある。


『ぅ、いた、い……』


あ、涙出てきた。しょっぱい。
それを容易く埋め尽くす、激痛。そいつは、ずっと笑っている。

こいつの裏は、真緒くんのようにいい物じゃない。見比べると、彼の方がよっぽどまし。


彼の方が優しい。



颯斗「ね、今衣更真緒のこと考えてる？」


『あんたの事考えるよりまし。


それに、あんたよりとってもいい人だから。』



彼の前では絶対に言わないけど。


『私は、彼を尊敬してる。勿論、凛月も。』


颯斗「そ？


まぁ、すぐにその考えは俺に変わるからね。」



『その考え、後悔しないでね』


彼は、私から離れると「鳴上さんと影片さん捕まえて仲良くなってくるわ〜」と言って去っていった。




『…………はは、呑気なやつ。』



私は、最後に、泣き寝入りのような声を出して


壁にずり落ちて地面に手をついた。
力が抜けて、動けなくて今になって恐怖がきてガタガタ震える。

手先の感覚が無くなる。


身体が冷めていく感覚がした。






あれ




『息が、でｯ………きな…い……！』



息の仕方どんなだっけ、









＿＿





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