出社 ページ3
先程まで暗闇だった空も明るくなり鳥の鳴き声も聞こえる様になった頃。
「ふうー、やっと終わった」
ずっと椅子に腰をかけ机正確にはパソコンと睨み合いを続けていた音夫の身体はあちこち凝り固まっていた。報告書を書き終わった疲れをとる様に軽く伸びてみる。これといって疲れが取れるわけでは無いが先程の凝りは軽減された様だ。音夫は椅子から腰を上げキッチンへ向かった。少し小腹が空いた頃だった。何か食べれそうなものはないかと冷蔵庫の中を漁ってみる。
(やばいな…スーパーに行かないと)
冷蔵庫の中には全くといっていいほど食材がなかった。あっても林檎が一つに牛乳。食パンが二切れだった。朝食にしてはちょうどいい量だと思い食パンを二枚焼き林檎を切る。コップに牛乳を注ぎ焼き上がったパンに偶然にも余っていたマーガリンを少し多めにつけた。これで立派な朝食の完成だ。
(今は2時か…朝食にしては早いが夕食にしては遅い時間だな。後で仮眠でもとるか)
音夫という人間は食に関して無関心なわけではないのだ。ただ生きるための優先順位度が低いだけで後回しになってしまう。ただそれだけなのだ。少し早めの朝食を済ませ、シャワーを浴びる。徹夜で報告書を書き終えたのだ。髪もベタベタになり気持ち悪い。こんな様子では気持ちよく仮眠すらできない。
(今日の髪型はどうしようか)
出社までにまだ時間がある。仮眠といっても十分な睡眠が取れるだろうと考え仕事着に着替えるのはやめ、普通に部屋着を着ることにした。シワになってしまうのも面倒だ。
目を覚すとカーテンの隙間から眩しい光が覗く。カーテンを開けると先程よりも太陽の位置が高くなっていた。もういい時間だろうと見れば6時半。十分な時間だ。出社は8時。今日の髪型は編み込みを交えたハーフアップだ。この間雑貨屋の前を通った時に一目見て買った新しい髪飾りを使うことにした。細工された金色の蝶の形に青いレースがリボン結びにされているデザインだ。仕事着に着替え顔を洗うといい時間だ。少し早めの出社をすることにしよう。
(服よーし。髪よーし。報告書よーし。拳銃よーし。汚れなし！)
満面の笑みを作り上げたその顔が鏡に映る。
「よし！今日も頑張るぞー！出社します！」
誰もいない空間に行ってきますと告げドアを閉める。最近は物騒だ。防犯も兼ねてドアの鍵は必ず閉める様にしている。そんなことをしても犯罪をする奴は鍵なんてすぐに突破してしまうがちょっとした犯罪者への対抗心、悪戯である。
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蜜柑食堂(プロフ) - 蜜柑食堂と申します。なんだかいきなりログインできていない状態になりましてそのままログインできなくなったので別のアカウントで小説の続きを書く事にしました。少し面倒になるとは思いますが別のアカウントで続きを待機していただけると幸いです。一応書いときます。 (2月25日 21時) (
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作者名：蜜柑食堂 | 作成日時：2024年1月30日 1時
