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【A side】
産屋敷 耀哉
「A。有一郎。無一郎。来てくれてありがとう。突然呼び出してしまってすまなかったね」
お館様の心地よい声音を聞いてなお、私は緊張してしまう。
この人と会うのは初めてではない。
けれど…やっぱり、慣れない。
時透 A
「いえ、とんでもございませんっ。ご、ご用件は何でござりましょうかっ!?」
緊張で声が裏返る。
産屋敷 耀哉
「ふふっ、そんなに堅苦しくしなくていいよ、A。有一郎と無一郎も、肩の力を抜いてくれ」
時透 A
「は、はぁ…」
ちらり、と両隣を見れば、ゆうは重苦しい雰囲気に押され多少動作がぎこちなくなっていて、むいは緊張と興味の入り交じった様子でキョロキョロとせわしなく目線を動かしていた。
産屋敷 耀哉
「さて、先日家が鬼に襲撃されたと聞いているが…」
時透 A
「は、はいっ」
産屋敷 耀哉
「…君達が無事でよかった。A、よくやってくれたね。その後、体調の方は良好なのかな?」
時透 A
「お、お褒めにお預かり光栄です。えと、はい、体調の方は万全です。お気遣いありがとうございます。」
時透 有一郎
「…それで、俺達をこんなところに呼び出したりしてどういうつもりだ?言っておくが俺は絶対鬼殺隊になんか入らない!!無一郎も絶対に入れさせない!姉さんの入隊だって反対だった、というか未だに認めた訳じゃないんだ、無一郎まで奪おうとするな!どうせ何か企んでるんだろうっ」
時透 A
「ちょっと、ゆうっ!!」
ゆうの言いたいことはわかってる。
心配なんだよね。
優しい弟がいつか、自分のもとからいなくなってしまうのではないか。
他人を想うが故に死んでしまった両親のように。
そんな、言葉の裏の優しさも、想いも。
わかってるよ、私は。ゆうの姉だもん、ずっと見てきたんだもの。
だけど誰もがそうじゃない、きっとそれが伝わらない人だっている。
ここでこんな言い方したら、きっと…。
産屋敷 耀哉
「いいんだ、A。…無一郎、君はいい兄を持ったみたいだね。
有一郎。君はAや無一郎の事を本当に大切に思ってるんだね。
確かに鬼狩りの仕事は危険だ。いつでも死がつきまとうと言っても過言ではない。
君の気持ちもよくわかるよ、大切な姉と弟をそんな危険なことに巻き込みたくないんだろう?」
時透 有一郎
「っ…」
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るるっち(プロフ) - 優衣さん» コメントありがとうございます!あの話はとても楽しみながら書いた覚えがあります笑 (9月15日 13時) (レス) id: ef030e36e0 (このIDを非表示/違反報告)
優衣 - 夢主ちゃんのドッキリがすごく面白かったです❗ (8月28日 11時) (レス) id: fa32b0552b (このIDを非表示/違反報告)
紬(プロフ) - はい!!!!そんなこと言っていただき光栄です//////めっちゃありがとうございます。 (7月1日 6時) (レス) id: c9acf0ff51 (このIDを非表示/違反報告)
るるっち(プロフ) - 紬さん» そうなんですかね。コメントって貰えたら貰えるだけ嬉しいものですし、私としてはなるべくその思いをお返ししたいと思ってます。しかし、こうして褒めて貰えると嬉しいものですね。こちらこそありがとうございます。 (6月30日 20時) (レス) id: ef030e36e0 (このIDを非表示/違反報告)
紬(プロフ) - おーーーー!それは素晴らしいですね。返信できる人ってなかなかいませんよ///本当にいろんな意味でありがとうございます。 (6月29日 16時) (レス) id: 3716f5de4e (このIDを非表示/違反報告)
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