赤い短編集【あ/ほ/の/坂/田】

歪んだカタチ。 ページ18

頭痛と少しの気だるさで目が覚める。

隣から聞こえる小さな寝息。

あぁ、そうだ。昨日は坂田さんと……。

珍しく彼の方から私に連絡寄越してきて、それで……。

まだ冴えきってない頭で、ぼんやりと昨夜のことを思い返す。

いつもより、激しかった。普段、彼からあれほど求めてくることはない。

……それと。


＿＿ 今日だけ、一緒におってくれへん……？？


何があっても、終電までには帰されるのがいつものこと。

私の方は、泊まらせてもらうことに抵抗はなかったけれど……。正直、戸惑った。

何か、あったのだろうか。

彼の方を向こうと寝返りを打つ。

「……ッ」

腰にも鈍い痛みが走った。

「坂田さん……」

どうにかうつ伏せの状態になり、そっと髪に触れる。

私と居るときの彼はいつも、どこか余裕そうでかっこ良くて。

こういった関係で居ることすら、お子ちゃまの私には釣り合わないんじゃないかなって。

でも、こうやって寝顔をみてると、何となくあどけない感じがして……。私より年下にも見える。

「んん……っ」

髪を撫で続けてると、気がついたのか小さく声を漏らして目を開けた。

「ごめん、起こしちゃったか」

「……おはよぉ」

「おはよ」

「いま、なんじ」

「7時前。今日は、お休みなんだよね？」

「……うん」

「朝ご飯、何か作ろうか？」

「……ええわ」

「そっか」

しばしの間、沈黙が流れる。

「……昨日、ごめんな。多分、俺めっちゃ……」

「ちょ、言わないで」

「あっ、ごめん」

口に出されると恥ずかしいじゃない。

「何か、あったの。……あの人と」

「……まぁ」

それ以上の言葉は続かなかった。

「ねぇ、坂田さん」

「んー？」

「好き」

「……うん」

彼から同じ言葉が返ることはない。期待も、してない。

だけど、あの人のことを想いながら、必死に私を求めてる。……そんな君がたまらなく愛おしい。

歪んでるんだろなぁ、分かってる。

2番目でいいの。

都合のいい存在で、構わない。

＿＿ ねぇ、愛してるよ。





はい、意味明不の極み。ドロドロ系を書きたかったんだけどよく分からん方に行ってしまったオチでした。(黄色さんの某曲パロではないです)

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