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第57話「アメと鞭と少々の憎しみ」 ページ10

スッと心が冷えてゆく感覚があった。




ストーカー事件によってまあまあ疲れたこの体にこんな仕打ちって…あんまりだろ。





「……グスッ…うう、っ…」







ゆるゆるに緩んだ涙腺が崩壊し、涙がぼろぼろと溢れた。


私の変化に真っ先に反応したのは十四松兄さんだった。






「A泣いてるの?泣いてるのAーー!?」



「うっせえボケ!!なんで繰り返したんだよバカ泣いてねえよ」



「でも目から水が…」



「こんなの血色の無い血ですぅー。
赤血球取り除いて液体部分しか無くなって、後悔と殺意と怨念が織り混じったただの血ですぅぅー」



「一般的にそれは涙って言うんだけど、Aのものは相当重いね」







殺意って…とお茶を飲みながらそう呟くチョロ松兄さん。


あーあー妹泣かせたーと悪ふざけコンビ(長男と六男)がチョロ松兄さんにちょっかいをかけていたが、彼は冷静に二人に眼球デコピンを炸裂させていたので奇声と悲鳴が混ざったような声が響いた。うるさい。





「ぐすっ…誰か私から溢れ出すこの汁を拭え」







縛られてるから出来ねえんだよ…制服濡れちゃうから早くしろと涙声で呟いた。


流石女王様…とボソッと聞こえたが誰だ。



すると、涙でぼやけてよく見えないが凄まじい速度で二階へ行き、戻ってきた奴が私の涙をティッシュでいそいそと拭き始めた。アッ言えばやってくれる。





「しかもお前かよ…。また私を焦らすのかよ…」







その正体は青パーカーだった。名前は都合上もクソも無いけど伏せる。

その男は先ほどとは違い、せっせと私の涙を丁寧に拭き取ってくれた。



あれ、唐揚げ事変は何だったんだ。




しかし、その拭き取ったティッシュをジッパー付きの袋に入れている(しかもなんか「A用 No.395」と書いてある)のに気付いたが、トッティが「だからアウトォォォ!!!」と奪い取っていた。

流石トッティ。取ることには長けてますね。






「第一、Aがさっさと教えてくれないから悪いんだよ?僕らだって学校帰りで疲れてる子にこんな事したくないのにさ」



「じゃあ嬉々として私を縛ったあの紫はなんなんだよ…

てか嫌々なら私を離せよ!さっさと唐揚げ食わせてよおおおお」






びえええと泣き出した。

我ながら面倒くさい性格だと思うがさっさと解き放ってほしい。
腕もだんだん痛くなってきた。

第58話「ボロが出るのは早かった」→←第56話「妹さん、取り乱す」



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設定タグ:おそ松さん , カラ松 ,   
作品ジャンル:ギャグ
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こま - シンプルに言って好きです!カラ松のちょっと病んだ系のギャップえぐすぎて口から内蔵でましたwガチ、永遠に続いてほしいです!すべてが完璧すぎてもう毎日満面の笑みで一日を過ごしています!w続き楽しみに待ってます!!! (10月25日 19時) (レス) @page43 id: aa7af232a4 (このIDを非表示/違反報告)
みみ - めっちゃ好きです!!れお願いします!!!続き待ってます!!! (8月30日 22時) (レス) id: a39746ca53 (このIDを非表示/違反報告)
- 超おもろい………続き待ってます!!!! (5月20日 23時) (レス) @page43 id: 4a7b17e5bc (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 続き待ってます···! (2022年4月7日 22時) (レス) id: a82882ac10 (このIDを非表示/違反報告)
ゆらっち - 本当にもう好きすぎます... (2022年3月27日 1時) (レス) @page43 id: ab3ad11547 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ぱんこ | 作者ホームページ:   
作成日時:2016年3月28日 16時

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