第64話「俺の手で繋ぎ止めてやろう」 ページ17
「…は?え?っギャア!!」
スマホへと伸ばす手をピタリと止めた。
止めたせいで、バランスを崩しかけた身体をいとも容易く抱き留めた兄さん。
あの時のように、私は両腕を相手の首に回して足も腰元に巻きつけた。
まるで猿のようだ。ハズカシイ!
それでも全く兄の体の芯はブレなかった。支える筋力マジリスペクト。
「せ、せんくす!助かった。
でも今なんか物騒な言葉聞こえたんだけど気のせい?」
「暫くの間囚われの身でいてくれないか」
「なんで言い直したの!?そんなの嫌に決まってんだろ!」
勝手ながら登った身で申し訳ないですが下ろしてください!と言うとアッサリ地面に降ろされた。
本当に言えばやってくれる。
だが片腕は掴まれたまま。スマホも彼の手によって取り上げられている。
「俺はAが心配なんだ。心配で心配で心配で、いっその事自分の身体の一部にしてしまいたいほど心配なんだ」
「サイコ思考は却下でお願いします」
「だから俺は考えた。どうせならAを俺の手の届く範囲…
「訳が分からない!どうしてそんな考えに至った!?意味分かんない!!
そんなバカな事言ってないで、サッサとスマホを返せ……」
ガシャッ
軽い物が割れる音が聞こえた。
破片が周りに小さく散らばり、先ほどまで使っていたそれの無残な姿を見て、私は目を見開いた。
「……すっ、スマホおおおおおおおおお!!!!!」
「おっとすまない。うっかり滑った」
「てめえええええその首掻っ捌いてやる!!!」
「お前にそうされるのも悪くないが、その前に俺に拘束されてくれ」
目を血走らせながら殴り付けようとする私の手を見切ってガシリと掴むと、すぐさま元々掴んでた方の腕も片手で纏めてそのまま何かを巻きつけた。
それは紛れもなくリボンだった。
しかも青色の。
「なっ?!」
「今はこんなのしか無かったんだが…割といいな。
だが後でちゃんとした手錠を付けてやるから、今はこれで我慢してくれ」
「そもそも合意の上じゃないんだけど!!」
私の両手を拘束し、最後は蝶々結びでキュッと結びつけやがった。
器用か!無駄なスペック披露してんじゃねーよ!!
第65話「計画的犯行ほど罪深いものはない」→←第63話「天国と地獄の両方を垣間見る事が出来た」
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こま - シンプルに言って好きです!カラ松のちょっと病んだ系のギャップえぐすぎて口から内蔵でましたwガチ、永遠に続いてほしいです!すべてが完璧すぎてもう毎日満面の笑みで一日を過ごしています!w続き楽しみに待ってます!!! (10月25日 19時) (レス) @page43 id: aa7af232a4 (このIDを非表示/違反報告)
みみ - めっちゃ好きです!!れお願いします!!!続き待ってます!!! (8月30日 22時) (レス) id: a39746ca53 (このIDを非表示/違反報告)
桃 - 超おもろい………続き待ってます!!!! (5月20日 23時) (レス) @page43 id: 4a7b17e5bc (このIDを非表示/違反報告)
柊(プロフ) - 続き待ってます···! (2022年4月7日 22時) (レス) id: a82882ac10 (このIDを非表示/違反報告)
ゆらっち - 本当にもう好きすぎます... (2022年3月27日 1時) (レス) @page43 id: ab3ad11547 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぱんこ | 作者ホームページ:
作成日時:2016年3月28日 16時