第无漆話『希』 ページ11
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「それは前に師範殿から聞いた。とにかく!!賭けよう!!!」
「力技で持って行こうとしてんじゃねーよ」
「アンタ前の口調どうしたのマジで」
「うるせえポンコツ。俺は元々こんな感じなんだよ、ちょっと孫の孫相手だから格好付けたかったんだよ」
「おい十分頭緩いと思うぞアンタ。
んで?どうするの?私はあの子が人を襲わない方に賭けるよ。そっちは?」
「……、………お前みたいな空っぽ頭のじゃじゃ馬でも、俺の子孫に変わりない。………お前の無駄に硬いポンコツ頭を説得するには、時間が足りないみたいだな……クソ」
ふと後ろを振り返る。
一寸先は闇、とにかく闇の中だったこの世界に一筋の光が差していた。
「……ああクソ、乗ってやるよ!お前のアホみたいな提案によ!!」
「やりぃ、有難うひいじーじ」
「うるせえじゃじゃ馬子孫。……いいか、俺はお前の肉体を使って鬼を全て殺す。……例外は、あの娘だけだ。分かったな」
「いや追加して、襧豆子ちゃんの他に人を襲わない鬼も」
「それは俺の独断と偏見で決める。滅するべしと分かれば、お前の意思など無視して勝手に殺るからな!!!」
「ふざけんなこのクソジジイ!!せめて一言言ってからだからな!!」
「この甘ちゃんが…………本当に、俺の嫁そっくりな性格しやがって」
「え?わっ!」
頭を力任せにわしゃわしゃ撫でられる。
曾祖父の顔を見ようとするも、頭を片手で押さえつけられて叶わない。
傷だらけのその手は、大きくも優しい手付きだった。
鬼を殺した手。そして、鬼から幾多の人間を守ってきた手。
彼の全てを何も知らない私は、少しだけ目線を下に向けた。
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えのぐ(プロフ) - 初めまして!もうこのコメント欄みないかもですけど一応言っておきます…百弍話の最後「異性には厳しい」と書いてありますが同性では…?細かいかもしれませんが…!この作品大好きですん。更新頑張ってください…! (2019年9月18日 19時) (レス) id: 6a2a84fe35 (このIDを非表示/違反報告)
シアン(プロフ) - 今日1日で全部読んでしまいました()好きです!これからも更新頑張ってください! (2019年7月29日 20時) (レス) id: 8d130acbce (このIDを非表示/違反報告)
衣鶴奈(プロフ) - 夢主ちゃんが本当に面白すぎて1話ごとに必ず笑ってますwwめちゃくちゃ面白いです!更新頑張ってください! (2019年7月29日 11時) (レス) id: 8c5e0feeb8 (このIDを非表示/違反報告)
ニコ - コメント失礼します。この作品が面白すぎて、全然原作知識ないのに壱から1日で読んでしまいました!!番外編も含め、続きすっごく楽しみにしています!! (2019年7月27日 22時) (レス) id: 8f71767d1e (このIDを非表示/違反報告)
棒人間 - 初めまして。この作品、とっても面白いですね!たまたま見つけて読んだのですが、この作品で鬼滅の刃の夢小説に目覚めました。応援しています!頑張って下さい! (2019年7月25日 21時) (レス) id: 804948c577 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぱんこ | 作成日時:2019年7月21日 9時