第无陸話『堅固な頭』 ページ10
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「……っ、お前に、まだ尻の青いお前に、俺の何が分かる」
「卑猥な言い方やめろ」
「尻の青いお前に何が分かる!!」
「強調するな!!……分からないよそんなの、そもそも私、貴方の名前すら知らないし!でも、殺せない!殺したくないの!あの子は私の大切な仲間に「命より大事なもの」とまで言われた子だから!!
誰よりも優しい子がそう言ったんだ!!だから私は信じる!!あの子は殺さない!!」
「っ、ここまで、ここまで愚かだったとは、
白髪の男はそう言って己の頭を抱えた。
…………え、血を引いて、って。え?
「あの、え?もしかして、血の繋がりの方が……」
「ああそうだよ!お前は俺の孫の孫だ!俺はお前のひいお爺ちゃんだ!!」
「ヒェェェ突然の爆弾発言!もう何が何だか」
「ポンコツな頭に叩き込め!その空っぽ頭に棲んだのはこの俺、曾祖父だ!!」
「ヒィィィ普通に怖い」
「……死して尚、お前の魂に見苦しくもしがみ付いたのはこの為だ、鬼を抹殺する為だ。
なのに……お前がそんな……嘘だろ……」
あからさまにガッカリされた。
いや何を勝手にやっておいて勝手にガッカリしてんだ、殴ってやろうか、先祖とか関係無いぞこれ。
しかし、ここまで鬼を嫌うとは………、恐らく、この人は大切な人が鬼に殺され、そして自身も鬼によって殺されたのだろう。
確かに鬼を憎む気持ちは分かる。分かるけど、
「とにかく、何と言われようとあの子は殺さない。あの子は絶対に他の鬼と違う。
……それにさ、見たでしょ?めっちゃ可愛いじゃん。鬼の子っていうか、鬼の美少女じゃん。もう嫉妬とか出来ないくらいの差だったよアレ」
「そんな事知るか!大体鬼は自由に顔を変化させられる奴もいる!美醜など奴らには関係無い!!」
「ねえ、じゃあさ、賭けをしよう」
「うるさいそんな事…………は?賭け?」
「うん。私はあの子が「人間を襲わない」限り、絶対に殺さないしアンタに殺させない。
アンタはあの子が本当に人に害を成す存在だって分かったら、斬……………る前にちょっと一言教えてください」
「いや何でちょっと怖気付いてんだよ。……嫌だっつったらどうする?」
「………」
「……え?考え無し?」
「断られるとは思わなかった」
「俺どんだけ頭緩いって思われてんの。一応柱だったんだぜ俺」
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えのぐ(プロフ) - 初めまして!もうこのコメント欄みないかもですけど一応言っておきます…百弍話の最後「異性には厳しい」と書いてありますが同性では…?細かいかもしれませんが…!この作品大好きですん。更新頑張ってください…! (2019年9月18日 19時) (レス) id: 6a2a84fe35 (このIDを非表示/違反報告)
シアン(プロフ) - 今日1日で全部読んでしまいました()好きです!これからも更新頑張ってください! (2019年7月29日 20時) (レス) id: 8d130acbce (このIDを非表示/違反報告)
衣鶴奈(プロフ) - 夢主ちゃんが本当に面白すぎて1話ごとに必ず笑ってますwwめちゃくちゃ面白いです!更新頑張ってください! (2019年7月29日 11時) (レス) id: 8c5e0feeb8 (このIDを非表示/違反報告)
ニコ - コメント失礼します。この作品が面白すぎて、全然原作知識ないのに壱から1日で読んでしまいました!!番外編も含め、続きすっごく楽しみにしています!! (2019年7月27日 22時) (レス) id: 8f71767d1e (このIDを非表示/違反報告)
棒人間 - 初めまして。この作品、とっても面白いですね!たまたま見つけて読んだのですが、この作品で鬼滅の刃の夢小説に目覚めました。応援しています!頑張って下さい! (2019年7月25日 21時) (レス) id: 804948c577 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぱんこ | 作成日時:2019年7月21日 9時