26 設定がなんだってんだこの野郎 ページ27
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部屋に上がり「よいしょ」と腰を下ろすと、いよいよ沖田君は話を切り出し始めた。
「いやぁ、こんな時間に訪ねちまってすいやせん。
…しかしまさか姉貴と旦那がそういう関係だったとは知りませんでしたよ」
「んなわけあるか馬鹿野郎、誰がこんな可愛さの欠片もねぇ奴に惚れるかよ」
『ほんとですよ、こんな年中暇人で堕落した生活送ってるマダオなんてごめんです』
「いや、何もそこまで本気で否定しなくても」
軽い冗談を済ませ「それで本題なんですが」と沖田君が話を続ける。
どうにもふざけた話ではなさそうなので、私も旦那も大人しく耳を傾けた。
「明後日、ここの一つ後ろの通りに……
新しく傘屋がオープンしやす」
『……は?』
え、待てよ。
コイツ今、’’傘屋’’ って…
「…なるほどな。
前々から新しい店が建つとは聞いちゃいたが、まさか傘屋だったとは…」
うんうんと納得したように頷く旦那。
イマイチ理解ができていない私に、沖田君は「あのうどん屋の前の…」とわかり易く場所を教えてくれた。
「商品は格安、そしてなんといっても店主が超絶美人だとかで、オープン前から町中噂になってやす」
『は、何それ!! 完全に私とキャラ被ってんじゃん!!
美人キャラは私一人で十分なんだけど!!』
「一ミリも被ってねぇよ、そもそもお前に美人設定なんかついてねぇわ」
『マジレスとか辛っ…!!
私だってこんな夢主になりたかったわけじゃないのに、千年に一度の美女とかクソ美味しい設定が欲しかったのに!!』
これまでの人生で、一体何度作者を恨んだ事か。
美人だ可愛いだ、アルビノだオッドアイだ、そんな神がかった設定の夢主には決して私の気持ちは分かるまい。
「…っつーか、そんな呑気な事言ってる場合じゃないですぜ姉貴」
『呑気じゃねーよ!! 夢主的に一番大事な事だっつの!!』
「ま、俺ぁ顔には困った事無いんで、その辺はよく分かりやせんけど」
『コイツ…いっぺん首絞めていいかな』
でも確かにそうだ。
沖田君の顔立ちといったら、夢主の私を遥かに上回るほど整っている。
その甘いルックスで幾度も女達をオトしてきたんだと思うと、恐ろしい気もするが。
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スージー・ズー - すみません!間違えました!銀ちゃんサイコー!って書こうとしたんですけど…笑 (2017年8月10日 21時) (レス) id: 277f6daa72 (このIDを非表示/違反報告)
スージー・ズー - んサイコー! (2017年8月10日 21時) (レス) id: 277f6daa72 (このIDを非表示/違反報告)
きょう - めっちゃ面白いです!!!銀ちゃんかわいい(((o(*゚▽゚*)o))) (2017年5月18日 21時) (レス) id: 667d20a7e0 (このIDを非表示/違反報告)
気空(プロフ) - 漆黒のラーメンさん» ありがとうございます!! 頑張りますね( ´-` )*゚ (2017年4月1日 12時) (レス) id: f4d2ff8c45 (このIDを非表示/違反報告)
漆黒のラーメン - クッソおもしろいです!!!!! 頑張ってください!(*´∀`) (2017年3月31日 19時) (レス) id: dd18b39158 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:気空 | 作成日時:2017年3月20日 18時