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9目撃者 ページ10

鬼灯と愛莉が去ってから約一時間。Aはまだ倉庫にいた。何をするでもなく、ただ鬼灯の"ここにいろ"と言う言葉に従っていたのだ。

貴「………なんでだろ」

さっきの出来事について、思い返そうと頭を抱えた時だった。

一「見てた」

二「私達、見てた」

貴「…座敷わらしちゃん!」

天井からひらりと現れたのは座敷わらしの一子と二子だった。

一「A様はやってない」

二「やってない」

貴「えへへ…、やっぱりいつ見ても可愛いなぁ」

座敷わらしが信じてくれている、それだけで涙が溢れそうになるのをAは必死に堪えた。

貴「…でも、どうしてあんなことしたんだろう…?私、愛莉ちゃんに嫌われるようなことしたっけな…」

悲しそうに俯くAに、座敷わらしは2人して言った。

一「してないよ」

二「ただ、A様が補佐官だったから」

貴「え?」

一「愛莉は補佐官になりたかった」

二「でも、なれなかった」

そこでAははっとした。

貴「私が…いたから…」

一「そう」

二「それに」

二子が言葉を続ける。

二「…愛莉は、鬼灯様が好き」

貴「…!?」

一「だから、A様が邪魔だった」

貴「…そういう、ことだったんだ」

なんだか納得したように、Aは笑った。その様子を見た座敷わらし達は目を見開く。

一「なんで?」

二「どうして笑ってるの?」

Aが晴れ晴れとした顔で告げた。

貴「だって、嫌われた訳じゃないんでしょう?ならそれで良い」

でも、と座敷わらしが言うのを、Aは制した。

貴「確かに、愛莉ちゃんのやり方は間違ってる。…でも、それは鬼灯様を想う心なの。とっても素敵なことだと思うなぁ」

座敷わらし達は、辛そうに俯く。

一「…A様だって、鬼灯様のこと−」

一子が言おうとすることを、Aはまたも制した。

貴「…さっき見たことは誰にも言っちゃダメ。愛莉ちゃんを刺したのは私。…多分、地獄には居られなくなっちゃうかも。だから、座敷わらしちゃん達ともお別れ…」

Aが座敷わらし達の頭を優しく撫でる。それに対し、いつも無表情の座敷わらし達が泣きそうになりながら言った。

一「嫌だ…お別れ、嫌」

二「…いかないで」

それを見たAは、笑顔で返した。

貴「私は1人でも大丈夫だから。悪者は私で、いいから。だから皆も元気でいてね」

それだけ告げてから、Aは倉庫を出た。貼り付けたような笑顔のままで。

向かう先は、閻魔殿。

__________

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(プロフ) - ハル@雪割桜さん» コメントありがとうございます!私も泣くと思います(笑)でも、罵られるのもいいかも(( (2014年12月21日 22時) (レス) id: 44f16ce612 (このIDを非表示/違反報告)
ハル@雪割桜(プロフ) - 白澤様も鬼灯様もおやさしい!!自分こんな優しくされたら泣くわ← (2014年12月20日 11時) (レス) id: 9e20382275 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ハル@二次元から戻れなくなった奴さん» 愛莉ちゃん、諦めてくれるでしょうか(・・;)コメントありがとうございました! (2014年12月18日 2時) (レス) id: 44f16ce612 (このIDを非表示/違反報告)
ハル@二次元から戻れなくなった奴(プロフ) - 愛莉てめェェェェェェェェェェさっさと諦めろォォォォォォォォォォ鬼灯様は夢主様が好きなんだぞォォォォォォォォォォ(怒) (2014年12月17日 19時) (レス) id: 9e20382275 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 雷風神 凪響 ーraihuuzin naotoーさん» ありがとうございます!その言葉に涙が出そうです…っ!すごく励みになります(^o^)更新急ぎます! (2014年12月16日 7時) (レス) id: 44f16ce612 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2014年9月15日 18時

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