続・地獄の沙汰も貴方しだい【鬼灯の冷徹】

食べ物の怨みは怖い(２) ページ16

あ「……んっ！おいひぃ！！」


注文したメニューが届き、一口食べると想像以上の美味しさにAは思わず頬を緩めた


カシャッ


白「良い顔もーらい！」

あ「ちょっ！なに撮ってるんですか？！消して下さいよっ！！」

白「だーめ」

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鬼灯は数回振動した携帯を懐から取り出し、一瞥する
『白豚・メール』
の表示に首を傾げつつ、中身を確認した


『Aちゃんは、僕が慰めてあげてるから有り難く思えよ！』


イラつく文面と共に、送られてきたのは満足そうな顔で、ふわりと微笑むAの写真だった

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甘味所でしばらく白澤と過ごすうちに、何となく鬼灯に対する罪悪感を覚えたAは

「飲みに行こう」という白澤の誘いを断り、帰路についた


あ「久しぶりの休みだったのに……とんだ休日になっちゃったなぁ」


部屋で物思いにふけっていると、ノックの音が聞こえ、扉を開けると鬼灯が立っていた


鬼「今日はすみませんでした。これ……限定品とまではいかなくても、美味しいお店らしいですよ」


差し出された紙袋を受け取り、鬼灯を部屋に通す


鬼「ところでA、貴女は私が嫌がるのを解ってて白豚と一緒に居ましたね？」

あ「…うっ…………お、お茶でも入れて来ますね」


直球で確信を突かれ、焦ったAがソファーから立ち上がろうとした拍子に腕を引かれ

そのまま、鬼灯の膝の上に座らされてしまう

慌てて逃れようとするが、腰に回された鬼灯の腕はぴくりとも動かず、身をよじる事すら叶わなかった


鬼「で……どうなんですか？」

あ「……はい。ちょっと、やきもちの一つでも妬いてもらおうかと……」

鬼「あんな写真送られてきたら、妬かない訳ないでしょう」


そう言って、鬼灯は不意にAの耳元に唇を寄せ囁いた


鬼「貴女には…色々解らせる必要がありそうですね」


そのまま耳を甘噛みされ、Aは思わず声を漏らす

鬼灯の唇は首筋をなぞり、鎖骨の辺りで動きを止め……そのまま強く吸われる


あ「…つｯ………ちょっ…鬼灯さん…」


唇が離れたその場所には、白い肌に映える赤い痕がくっきりと刻まれていた

鬼灯は自分が付けた痕を指でなぞり、満足そうに頷く


鬼「次は、この程度じゃ済ませませんよ」


再びAの耳元で囁いた


――食べ物の怨みより、鬼灯さんのやきもちの方が恐ろしかった……


Aは、ぼーっとする頭でそんな事を思った

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