銀魂キャラにしてほしいこと【銀魂】【短編集】

コスプレしてほしい！【土方十四郎】　優衣さんリク ページ29

「これ着てください！」

「なんだよ、これ」

私が差し出した猫耳とモコモコの黒い服に怪訝な顔をする土方さん。

「えっと、猫のコスプレ衣装、です……。もうすぐハロウィンだし」

めっちゃ嫌そうだな。思わず声が小さくなってしまう。

「俺がそんな浮かれた格好するわけねーだろ」

案の定、呆れたような土方さん。

分かってますよ。分かってますけど……！

「これ見つけたとき、土方さんに似合いそうだなって思って。お揃いとかも楽しそうだな〜って……。」

自分でも何を言っているのか分からなくなる。やっぱり、彼氏にコスプレさせるのって変だよね。

私がうつむきかけたとき、

「分かったよ」

ぶっきらぼうな声がして、私の手からモフモフがなくなった。顔を上げると土方さんの後ろ姿。

「着替えてくる」

そう言って土方さんは部屋を出て行った。



私も灰色の猫になってみる。

ちょっと恥ずかしいけど、悪い気分ではないな。そんなことを思っていたら、

「ええっ、副長どうしたんで…」バーン！

山崎さんの声と破壊音が聞こえて、真っ赤な顔をした土方さんが部屋に入って来た。

「なんか、破壊音が聞こえてきましたけど…」

「気のせいだ」

真顔で即答する土方さん。

そして、思い出したようにお互いの格好をじっくり見る。


やばい、想像以上に似合ってる。


「あの、か、可愛いです」

なんとか言葉を出すと、少しの沈黙の後にボソッと

「……お前も可愛いすぎてやばい」

なんだか照れくさくて、フフッと笑ってしまう。

「あ、そうだ、写真を撮りましょう！」

照れくささを吹き飛ばすように、大きな声で言ってみる。

スマホを出して、カメラを起動させる。二人で自撮りはあまりしないから、テンションが上がってしまう。

「にゃーってやりましょう」

そう言ったら、土方さんは渋々片手を猫の手にしてくれた。

撮れた写真を見て、またニヤけてしまう。猫耳をつけた土方さんが、顔を真っ赤にして、ムスッとして、手を猫の手にしているのだ。その全てに私の胸が高鳴る。

さんざん眺めた後に、待ち受けにしようと思ってスマホを操作する。

すると、服がちょっと引っ張られて、

「スマホばっかみてんじゃねーよ。

かまってくれなきゃ、拗ねるからな？」

土方さんが上目遣いでこちらを見ていた。

固まってしまった私に、土方さんは少し表情を歪めて、

「なんて言ったら猫っぽいかなと思ったんだが、想像以上に恥ずかしいな。やっぱ、今の無しにしてくれ」

と言った。



あんなに可愛い土方さん、無しになんてできませんよ。

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