▼ ページ4
*
『逆先くんは凄いなぁ、憧れちゃうよ』
架空の人物を語るかの様な彼女に少し嫌な気がした。
ボクは此処にいるのに、
「あのサ、前みたいに夏目くんって呼ばないノ?」
『呼んでほしいの?』
別にそういうことじゃないけど、と言うと彼女はん〜と空を見上げながら唸る
『逆先くんだって、私の事名前で呼ばないじゃん。』
逆先くんが名前で呼んでくれたらなぁと言う彼女にそんな簡単な事か、と溜め息を吐いてA、と呼ぶと彼女はそっぽを向いて分かりやすく耳まで赤くしていた。らしくないなぁって心の中で思った。
『夏目くん、夏目くん』
「なァに、そんないっぱい呼んでもボクは増えないヨ」
彼女は嬉しそうに自分の名前を呼ぶのでそれが無性に恥ずかしかった。
『夏目くんっていいね、好きだなぁ』
「ボクもAって名前好きだヨ」
そう言うと流石アイドルとおだてられた。そういうことじゃないんだけど。
『夏でも夜は冷えるね、』
「そんな格好してるからじゃなイ」
黒のキャミソールにパーカー。しかも短パン。露出が多い。目のやり場に困ると言うか、なんと言うか…
『だってさ、夏目くんに勢いでメールしちゃったし、急いで家出ちゃったから…』
話していると空からポツポツと冷たい滴が落ちてきた。
「雨?」
7月なのに雨、この様子だとどんどん強くなりそうだ。急いで山型遊具に逃げ込んだ。
スマホを着けると眩しいくらい光ってて、時刻は8時と出ていた。
『これじゃあ、帰れないね…』
「通り雨じゃなイ?一時間もすれば止むヨ」
そうかなぁ、と彼女は困ったように外を眺める。
「ボクといるの嫌?」
『違うけど…違わない…』
矛盾した彼女の答えがなんとなく理解できた。ふぅんと敢えて深くは聴かずに、距離の離れた彼女をこっちおいでよと自分の隣に誘う
言われた通りに小さく隣に座りコンクリートの地面を見つめる彼女は静かに座っているだけで何も話してこない。
女の子ってよくわからない、考えてる事もわからない。女の子の中でもこの子の感情は一番理解できない。
怒ってる?どうしたの?なんかした?は機嫌を損ねるかも知れない。
でも今の状況から怒ってる事はないだろうけど…
51人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
叶氷那@雪奈(プロフ) - himituさん» コメントありがとうございます!更新不定期ですが頑張ります…! (2022年1月27日 22時) (レス) id: ca91867d6e (このIDを非表示/違反報告)
himitu(プロフ) - うぁぁ〜!好きです...!更新頑張ってください! (2022年1月27日 17時) (レス) id: d074665804 (このIDを非表示/違反報告)
ぶるブルブルミちゃん(プロフ) - 叶氷那@雪奈さん» 最推しなんで!!!神ですね (2022年1月20日 18時) (レス) id: 33d476be95 (このIDを非表示/違反報告)
叶氷那@雪奈(プロフ) - ぶるブルブルミちゃんさん» コメントありがとうございます!夏目くんをもっと好きになって貰えるよう頑張ります! (2022年1月19日 23時) (レス) id: ca91867d6e (このIDを非表示/違反報告)
ぶるブルブルミちゃん(プロフ) - 夏目くんがァァァ!!!!ヤバイイカッコイイ (2022年1月19日 22時) (レス) @page9 id: 33d476be95 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ