ふわふわ。 (ページ5)

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どさ、と資料室にダンボールを置いた。
｢ん、ありがと。｣
『…こういうのって結構あるんですか。』
｢ん？なにが？｣
『こう…でっかい荷物運ばなきゃ行けないとき…？』
｢、あー。まあ時々？｣

ふーん。…
『大丈夫なの？』
｢『え？』｣
待って？俺声出てた？

『いや、えいや…』
｢え、なになに｣
きゃはは、と笑って俺を見る先生。

だってこのダンボール結構重かったぞ。
か弱い先生が1人でこんなの、馬鹿すぎる。

『ちっちぇー先生がこんなの持っていけんのかよー』
俺が思ってることそのまま話したら絶対ひかれると思って、ついトゲトゲした言葉になってしまう。

｢誰がチビだ！…別にっ、無理だったら他の人に手伝ってもらうし…｣

かわいい。かわいすぎるよ先生…

『はーい。さよならー』
｢あ、待って…｣
まだ何か言ってる先生をおいてそのまま学校を後にした。

.

.

ある日、学校が終わっていつものようにすぐ帰ろうとするといつかの日のように制服の襟をがしっと掴まれた。

『う"ぇっ』
思わず唸るとまだ帰っていない子たちから笑われた。

『また先生かよ！！された瞬間わかったけど！』
振り返ってキッと先生を睨むと悪っそうな顔をして立っていた。

ちょいちょい、と手を招いているのでそれについて行き、1回出ようとした教室にまた戻ってくる形になった。

そうこうしてる間にみんなはもう帰ってしまった。

『なにーー、俺今日日番じゃないですけどー。』
皮肉そうに言うと、それを物ともせず
｢これ！手伝って！｣
とばーんっと山積みの資料を差し出してきた。

『ええ…』
｢こないだ"また何かあったら俺が手伝います"って言ってくれたよね？はい、よろしくー｣
『いやそんなん言った覚えないんすけど。』
｢そう？まあいいや｣
にこ、と笑って先生も山積みの資料を抱えた。

『はあ…』
もういいや。好きな人といれるなら、雑用でもいっか。
…なんて、よくありがちな事を思ってみる。

｢…今日、用事あった？｣
俺がため息をついたのを気にして、上目遣いで聞いてくる。

う…
ほんと、ずるすぎる…

『何も無いですよ…ほら、行きましょ。』
｢うん！｣

この量の資料と鞄を持っていく余裕はないか、と思い教室に鞄を置いたまま持って行った。

｢いやあ、助かったー！ありがと伊野尾くん。｣
俺の横でにこにこ笑いながら歩く有岡先生。