６ マネージャー悪女事件簿�� ページ7
俺はすぐに状況を理解した。
自分で自らの顔を殴っておいて、相手に罪を擦り付け俺達に嫌わせようということか。
今時そんな話はドラマや小説でしかないと思っていたよ。
ただそのことに気づいたのは俺と黒子と虹村さんだけだったようで。
他の連中(特に頭が弱い青峰と黄瀬)はまんまと悪女Ａに騙されていた。
黄瀬に抱きつき泣きじゃくる悪女ＡにAが発した言葉は予想の斜め上をいった。
『だってその子が黄瀬の悪口いうからムカついちゃって』
「え。俺ッスか！？」
『なにあの脳みそカラッポのデルモくたばれ(笑)……って言ってたの』
あの時、俺は吹き出すのを必死に我慢したんだぞ。
Aのアドリブに悪女Ａも唖然としていた。
「私っそんなこと言ってない！間宮先輩、嘘つきです…！！！」
『お前がそれ言うの？』
Aは糸が切れたように豹変し、悪女Ａの胸倉を掴み壁に押し付けた。
そのあとすぐにコンクリートの壁に鈍い音が走った。
『あたしは本気でキレた相手にそんな甘ったるい殴り方はしない』
Aは悪女Ａの顔の真横の壁を、力いっぱい殴っていた。
その場の空気が凍る。
「な、なんで怒られなきゃいけないんですか……」
『自分が一番よく分かってるよね？桃井のことだよ』
「……？さつきがどうかしたのか？」
「黙ってろ青峰」
「…………」
俺は空気の読めない馬鹿を黙らせた。
「なんのことか……分かりませんっ…」
『……そっか。だったら、試してみる？』
いつまでもシラを切る悪女ＡにAは冷たい笑顔を向けた。
『早めに歯医者に予約入れた方がいいと思うよ。差し歯の、ね？』
そう言うと悪女Ａはずるずると壁を滑り落ち、泣きながら謝っていた。
自分でも可笑しいと思う。
だけどこの時俺は確実にゆっくりと、
彼女にオチた。
俺は皮がむけ血が滲む彼女の手の甲に容赦なく消毒液をかける。
『ぎゃ痛い！赤司！痛いっ！！！』
「自業自得です。思ってたより馬鹿なんですね」
『うっせ』
「なんで左手で殴ったんですか」
『………バスケ、できなくなる…』
顔を赤くして小声でそう言う彼女のことが
ああ、好きだと思った。
ちなみに後日、病院で骨にヒビが入っていたことが発覚した。
結局、全治2週間の間、Aは部活を見学していた。
やっぱり馬鹿だな。
７ 社会の厳しさを教えてやろう→←５ マネージャー悪女事件簿
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 616人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Myuna(プロフ) - 毎日続き楽しみにしてます！応援してます 頑張って下さい！(。・ω・。)ゞ (2017年8月6日 20時) (
レス) id: ce2e2cbeea (このIDを非表示/違反報告)
もちごめ(プロフ) - オオムラサキさん» ありがとうございます！！ぼちぼちですが更新頑張らせていただきます〜！！ (2017年5月12日 0時) (レス) id: 9e06a18cdb (このIDを非表示/違反報告)
もちごめ(プロフ) - yumさん» 返信遅くなってしまい申し訳ありません…！！長期戦になりますがこれからもこんな2人をよろしくお願いします（笑） (2017年5月12日 0時) (レス) id: 9e06a18cdb (このIDを非表示/違反報告)
オオムラサキ - トップ画もお話の内容も好きです！！更新めっちゃ楽しみにしています。 (2017年5月9日 16時) (レス) id: 9910ac75da (このIDを非表示/違反報告)
yum(プロフ) - 赤司もかっこよく決まって、主人公ちゃんもちょっといい感じだったのに、最後の五円チョコ(笑)最高ですね(笑) (2017年4月15日 5時) (レス) id: 16305ab699 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：もちごめ | 作成日時：2016年1月11日 3時
