放課後の教室と貴方の字

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龍：ばいばい。

沖田：ばいばい。



夕方になり、２人は帰った。今日一番の疲労が龍の発言だなんて思っても居なかった。

その後は何もなく、普通の休日を過ごした。嘘みたいに静かな部屋に少しだけ寂しさを覚えた。

月曜日の登校は気乗りはしない。ダルイ･･･



雪村：Aちゃん！おはよう！



朝からテンションの高い雪村さん。凄く重い。



A：おはようございます。

雪村：･･･えへへ･･･。

A：何をニヤけているんですか？

雪村：え−と･･･こんなまともに目を合わして返してもらった事が無いからつい･･･



まだ「えへへ」と照れている。モテる女子は随分と喜怒哀楽が分かりやすい。



雪村：Aちゃん、結構可愛いよね。

A：何をいきなり･･･

雪村：ちょ、ちょっと待って･･･



歩みを止められ、鞄から何かを取り出した。すると私の前髪を触るとピンで止めた。

無言で触る。雪村さんは「こっちの方が目つきが悪くなくていいよ」と言う。無論、取った。



A：返します。

雪村：･･･付けていた方が良いよ！

A：付けても何もありませんよ。



返されて口ごもる雪村さんは私の腕を掴んでズンズンと進んで行く。

教室に入ると、椅子に座らされ、髪をいじられる。



A：本当にいいですから！

雪村：よくない！

A：いや、本当に、私は目立ちたくないですし、可愛くなろうなんて思わない！

雪村：私が嫌なの！

A：はぁ!?自分の気分だけでこんな事するんですか!?

雪村：するよ！

A：開き直るなんて、子どもですか！

雪村：子供だもん！

A：貴方は高校生でしょうが！



ぎりぎりとせめぎ合い、口論をした結果は私の勝利だった。

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